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アヒル!ハリネズミ!アライグマ!新たな「ペットビジネス」の波

丸わかり!中国キーワード

人民網日本語版 2020年06月24日10:23

(写真著作権は東方ICが所有のため転載禁止)

あなたがまだ猫や犬をかわいがっているとしたら、もうアウトだ。

ここ2年ほどの間に、日本発のビジネスモデルであるペットカフェが中国国内で流行している。中国では既存のペットカフェは猫と犬がメインというところが多いが、オーナーの中には次々に「一風変わったペット」を導入する人も少なくない。たとえばアルパカ、フクロウ、コールダック、アライグマ、ハリネズミ、マーモットなどがいる。こうした新顔のペットたちはショート動画共有アプリ「抖音(Tik Tok)」などのSNSで非常に多くのペット好きを引きつけ、「オンラインでファンを増やし、オフラインで実際にペットとふれあう」というモデルで、新たな「ペットビジネス」の波を起こしている。

〇台頭する「一風変わったペットたち」

アヒルカフェ

よちよちと歩いてくる生クリームのような真っ白いコールダックたち。そのふわふわした滑らかな羽をなでれば、悩みはすべて一瞬にして吹き飛んでしまう。

この全身真っ白なコールダックというアヒルは、ネットで人気の新顔ペットだ。インターネットで人気に火が付き、今では「クラウドでアヒルを飼う」のがトレンドとなっている。抖音では「♯コールダック♯」がテーマの動画が8億回以上再生された。ネットユーザーの中には、ドラマのストーリーを追いかけるように、コールダックが卵の状態から孵化して生まれるまでのプロセス全体を眺め、さらには名前をつけ、まるで自分のアヒルであるかのように成長を見守る人もいる。

好きな人が増えれば、自分の手でなでてみたいというニーズが生まれるのはごく自然なことだ。しかしペットとしてのコールダックは非常に珍しく、自宅で飼っている人は少ない。ネットのペットアヒルコミュニティの情報では、1羽の値段は5千元(1元は約15.2円)から1万元前後と高額だ。目端の利いた起業家はここに商機を見いだし、すでに成熟したペットカフェというビジネスモデルにコールダックを組み込もうとしている。

アヒルとのふれあいや記念撮影を中心とした「アヒルの館」や「アヒルカフェ」が瞬く間に全国に広がり、ほぼすべての店が開店後にたちまち現地のネット人気店になった。

新型コロナウイルス感染症の影響が続くが、「アヒルの館」はその流れに逆らって大人気となっている。一部の店舗は事前予約制が必要で、2時間以上並ばなくてはならない店もあり、しかも店内での滞在時間は限られている。若いオーナーが商機を見いだして経営に乗り出し、コールダックをテーマにしたカフェ、グッズ販売、個人メディア、スタンプなど全産業チェーンに及ぶ新業態を生み出した。

(写真著作権は東方ICが所有のため転載禁止)

ハリネズミカフェ

アヒルカフェだけでなく、ハリネズミとふれあえる店もある。四川省成都市のハリネズミカフェでは、客は消毒液で手を洗ってからでなければハリネズミに触ることはできない。店内にはアフリカミニハリネズミが8匹いる。ハリネズミはそれぞれ教室やお風呂、書斎、麻雀店などのミニチュアドールハウスにいて、とてもかわいらしい。店に入ってお金を払えば、誰でも1回ハリネズミに触ることができる。店は特別な手袋を用意しており、これをはめればハリネズミとふれあえる。

アライグマカフェ

成都市の青蓮上街にはアライグマとふれあえるサービスを提供する店があり、店内には2匹のアライグマがいる。アライグマはもともと目がよく見えない上、恐がりなので、オーナーは専用のガラス張りの部屋に入れている。店員のサポートを受けながら、部屋に入ってエサをやったり、そっと触ったりできる。

〇経営のコツは細やかな運営にある

ペットとふれあえる店の経営は、単にペットを準備すればよいといった単純なものではない。動物と互いにふれあう感覚、店内のインテリア、撮影する写真の質、店内で出すドリンクの味、サービスなどいろいろ細かい部分が重要だ。

最も重要なことは店内の衛生状態だ。店に入った時に嫌なにおいがすれば体験に大きく影響するので、店側は多くの動物に紙おむつをはかせている。このほか、スタッフが定期的に衛生状態をチェックし、クッションなどが動物の排泄物で汚れていればすぐに廃棄して新しいものと取り替え、洗って再利用はしない。

別の細部も重要だ。たとえば店員は客と動物が仲良くふれあえるよう誘導するだけでなく、客が動物に無視されていないかどうか気を配る。動物が1ヶ所に集まっていれば、すぐに分散するようにする。ほかにも、客が満足できる写真を撮れるようサポートするという。

〇「ペットビジネス」は中国でどれくらい盛んなのか?

調査会社の企査査が「ペットカフェ」をキーワードに検索をかけたところ、全国に条件に合致した企業が853社あることがわかった。これには、ペットカフェ以外の形で企業登記をしている店は含まれない。

こうしたペットを中心にしたカフェは、一般的なカフェより値段が高い。一般的にセット料金は数十元から100-200元で、入店料や最低金額を設定するところもある。上海にあるアヒルカフェ「衝鴨倶楽部」は入店料が38元で、80分の時間制限がある。

「2019年中国ペット消費トレンド報告」によれば、一風変わったペットの消費はここ数年の間に起きた現象だという。またユーザーのニーズは実に様々で、猫と犬が中心のペット市場という従来の局面をひっくり返す可能性がある。現在、中国国内のオンラインペット消費の主なユーザーの属性は、女性、85後(1985年から1989年生まれ)もしくは90後(1990年代生まれ)、未婚、大卒などだ。ペットの飼い主に共通する特徴は、ペットを飼うのは感情面のニーズによるところが大きい点だという。

また同報告は、ペットビジネスの中身は実は孤独を扱うビジネスだと指摘する。若い消費者とより高学歴の消費者が増加するにつれ、個性化・多様化・趣味化した消費ニーズが消費高度化の発展をさらに後押しすることが予想されるという。

〇一風変わったペットの台頭は個性化のバンドワゴン効果か

ここ数年、一風変わったペットたちの市場が突然発展したのはなぜか。心理カウンセラーの徐氷さんは、「これは一種の個性化した心理的ニーズの現れだ。物質的条件がどんどん豊かになっている今、人間の精神的ニーズが高まり続けている。ペットを飼うことには、一種の心理的ニーズが映し出されている」と説明する。

徐さんからみると、ペットにはそれぞれ特徴があり、「人間がペットを選ぶ時には、心の中の潜在意識によって、自分自身と同じ特徴をもつペットか、似た特徴をもつペットを選ぶ」という。さらに分析を進めると、「ペットを飼うのはパートナーを手に入れる有効な方法でもある。その一方で、感情のコミュニケーションをしたいというニーズも満たされる。どんなペットを飼うにしても、実はその役割の多くはパートナーだ。普段の暮らしの中では外に出すことのできない気持ちを解放し、孤独感をまぎらわし、コミュニケーションの目的を達成する」のだという。

徐さんは続けて、「今はいろいろな動物を飼うことが流行っている。これは一方ではペットに自分と似た特徴を見いだそうとするからであり、また一方では個性化のバンドワゴン効果で、スターや有名人の真似をしたり、一定の影響力をもった人のやり方を真似たりするというものだ。実際のところ、これは一種の心理的に暗示をかける方法であり、多くの商品がスターをイメージキャラクターにするのと原理は同じだ」と説明した。(編集KS)

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「人民網日本語版」2020年6月24日

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