米国海軍の戦闘艦「オークランド」。(写真は環球網より) |
米国海軍にこのほど沿海域戦闘艦22番艦「オークランド」が加わり、米海軍の現役艦は300隻になった。海軍研究院の張軍社研究員は取材に「米国は海軍艦隊の総数を355艦に増やすという目標を達成して、世界一の覇権的地位をさらに固めようと努力している」との見方を示した。環球網が伝えた。
張氏によると、「沿海域戦闘艦はスピーディで、柔軟、かつ多機能の沿海作戦プラットフォームであり、主に敵の浅海域で対潜作戦や対水上作戦をしかける、敵が敷設した水雷を除去するなどの任務を担う。しかし就役期間に搭載作戦のモデル転換のペースが遅い、対空作戦の戦闘力が低い、建造価格が上昇を続けるなど多くの問題が生じ、米軍の沿海域戦闘艦ニーズは減少した。最初の計画では82艦を建造する予定だったが、現在は35艦に減った」という。
張氏は、「米軍の現段階での発展の重点はミサイル・フリゲート艦へと移りつつあり、現在就役する沿海域戦闘艦は前線に配置された分散型の攻撃力に合わせ、米軍の分布式作戦の戦闘理念を体現するものだ。この作戦スタイルの攻撃対象は必ずしも空母や強襲揚陸艦とは限らず、駆逐艦や護衛艦が構成する軍艦戦闘群である可能性もある」との見方を示した。
張氏はトランプ米大統領が打ち出した米海軍の主力戦闘艦艇を355艦まで増やすとの方針について、「まったく必要がないものだ。沿海域戦闘艦を配備すれば、作戦能力はある程度向上するが、米海軍の軍艦の現在の数量をみると、今後10年、さらに20年は他国に追い抜かれることはあり得ない。米国が国民を苦しめ財政を圧迫することも顧みずに艦隊の規模を絶えず拡張しようとするその目的は、自分たちのいわゆる大国としての競争戦略のニーズを満たし、世界一の覇権的地位をさらに突き固めようとすることにある」と指摘した。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年6月30日