専門家「中米両軍は接触と対話を早期再開して軍事的暴走を防ぐべき」

人民網日本語版 2020年08月03日13:53

新型コロナウイルスの感染拡大以来の米国の横暴な中国叩きは、新型コロナ対策における世界の協力を深刻に破壊しただけでなく、世界が切望し追い求める平和・安定・繁栄の見通しを、冷戦終結後30年近くなかったほどにまで崩壊させた。新型コロナウイルスのパンデミックという厳しい状況は、本来なら中米の協力強化を後押しするはずだ。米国内で悪化し続ける感染状況を受けて、本来ならトランプ政権は国内の感染症対策に全力を集中するべきだ。だが米国の政治と政策のエリートは感染拡大を、米中のパワーバランスを中国に有利な方向に転換させうる地政学的戦略ゲームと見なしている。(文:朱鋒・南京大学南中国海研究協同革新センター執行主任、国際関係研究院院長。環球網掲載)

現在南中国海情勢と台湾海峡情勢は強い緊張が続いており、今年に入り中国周辺海域への米国の艦艇や航空機の進入は2000回を超えた。トランプ政権が新たに発表した南中国海に関する政策声明は、南中国海における海洋権益に関する中国側主張の全面否定を企てている。その対台湾地区政策にいたっては、中米国交樹立以来歴代米政権が従ってきた「一つの中国政策」をかつてないほどに揺るがしている。南中国海情勢と台湾海峡情勢の緊張の根本的原因は、米国の現政権が横暴に実施している全方向の「中国叩き」政策だ。

米ソ冷戦の歴史的経験から見て、大国間の競争と対立が激化するほど、軍事的行動において互いにより慎重になる必要がある。大国間の対立が制御不能になるのを防ぐ最後の「セーフティーネット」は、互いの部隊が海空で遭遇し、対峙する状況が生じた際に、必要な自制と慎重さを保つこと、相手国の軍事的・戦略的意図について致命的に誤った判断をして過激な行動に出るのを防ぐことだ。中国に対するトランプ政権の科学技術政策、貿易政策、人材政策、外交政策は、互恵・ウィンウィンという両国関係の大局をすでに破壊的に転換させ始めている。トランプ政権が新型コロナウイルスとの闘いに敗北したために「責任転嫁の必要性」及び「選挙戦における必要性」を抱えている現在は、中米関係の危機を管理・コントロールする「セーフティーネット」を再始動すべき時だ。中米両軍は早期に接触と対話を再開して、両国及び両軍間が誤った判断をするリスクを下げ、偶発的な摩擦や衝突を引き起こすのを防ぐべきだ。

■危機の中、両軍関係の前進が必要

中米関係が今日の状況にまで到った現在、最も緊迫した対立する議題において危機管理措置を講じること、半世紀近くの貴重な両国の互恵・共存関係の全面崩壊を防ぐこと、対立的話題の過度の宣伝による衝突を防ぐことが、すでに喫緊の課題となっている。米国による不当な中国叩きは、中国を上から下まで困難を前に立ち上がり、自らの主権・安全・発展上の利益を断固として守るようにさせるだけだ。また、関係当局が接触・対話・協議を再開し、危機管理・コントロールの措置を確実に実行に移すことも重要な国益となる。(編集NA)

「人民網日本語版」2020年8月3日

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