専門家「中米『新冷戦』鼓吹は歴史逆行の企て」

人民網日本語版 2020年08月19日14:45

持続する新型コロナウイルスの感染拡大と大規模な人種間衝突によって、全世界が「もう一つの本当の米国」を目の当たりにしている。ここ数年の米当局の政治行為、特にいわゆる選挙のために自国民の健康や新型コロナ対策の国際協力を顧みない一部政治屋の行為は、米国の世界的な指導力とソフトパワーを大いに毀損するに十分だ。(文:張樹華・中国社会科学院政治学研究所所長。環球時報掲載)

最近我々は米国の指導下で内部分裂する西側を目撃すると同時に、西側陣営を結束させて中露を孤立させようとするが結局徒労に終わる米国の外交行動を目の当たりにしてきた。冷戦の再開を望み、再び戦果を得ようとする一部の政治屋達の企ては歴史に逆行するものであり、絶対に思い通りにはならないと断定できる。

まず、この反中同盟の基礎たる「統一され、考えを同じくし、足並みのそろった西側」は、もはや存在しない幻影だ。G7サミットは各々考えが異なり、統一は困難だ。今年のミュンヘン安全保障会議はテーマを「Westlessness(消える西側)」と定めた。居丈高な米国の政治屋を前に、欧州人はもはや米国の「横暴と乱暴」への反発を隠せずにいる。彼らは大西洋を挟んで価値観が分裂し、利益の衝突する関係に直面していることを認めざるを得ない。欧州の大国である仏独も欧州的価値観に回帰し、改めて自らの位置づけを見出そうと試みている。

次に、「動揺し、躊躇し、形勢をうかがう」米国の昔日の同盟国と比べ、世界の圧倒的多数の非西側国はすでに米政治屋がいわれなく騒ぎを起こすのに辟易し、問題の根本的原因を見抜いている。米国の一部の政治屋は情勢判断の誤りと民衆のミスリードを繰り返してもなお独断専行し、安っぽくて空疎な「民主と自由」等のスローガンを再び用いて人心を籠絡し、他国を煽動して共に銃口を中国に向けさせる幻想を抱いている。

中米関係が過去40数年間で最も冷え込む中、中米間で新たな冷戦が勃発するとの声が絶えず耳に入ってくる。だが理性ある人なら誰しも、世界が対立する二つの陣営に再び分割されることを望まず、何かというと政治的手段で正常な自由貿易秩序及び科学技術・人的・文化的分野の国際交流を破壊することに反対する。

米国は外に敵を作ることで自らの発展と進歩を確たるものにすべきではない。いわんや二つの強国が相争えば、互いに損害を被る。中米両国は共に極端なナショナリズムや過激なポピュリズム思想の誘惑に警戒すべきだ。さもなくば中米そして全世界を衝突の陥穽、さらには戦争の泥沼に引きずり込むことになる。

世界の大国である中米は全世界に目を向け、発展を切望する無数の途上国及び新興エコノミーと連携して共に歩み、自らの比較優位を最大限発揮し、改革と発展のノウハウを国際社会と分かち合うべきだ。大国がすべきは人々の交流を遮断する「壁」を築くことではなく、協力と結びつきの「橋」を架け、世界の平和・発展・繁栄を促進し、人類文明の進歩を後押しすることだ。(編集NA)

「人民網日本語版」2020年8月19日

最新ニュース

注目フォトニュース

コメント

| 写真記事