感謝を表す時は、ハートマークを送るかわいいネコのステッカー(スタンプ)、悲しい気持ちを表す時は、雨の中にたたずむカエルのステッカーといった具体に、絵文字やステッカーはより正確により分かりやすくその気持ちを伝えてくれる。このように、SNSが普及した今の生活において、「言葉を使わなくても、自分の気持ちを相手に分かってほしい」と感じた時、絵文字やステッカーというのは最もピッタリなアイテムと言える。人民日報海外版が報じた。
「ステッカーはチャットの潤滑剤」と、「90後(1990年代生まれ)」の女性・潘さんは、大好きな絵文字やステッカーへの思いを一言でまとめた。そして、「チャットをする時、絵文字やステッカーを使わなかったら、冷たい感じがして気持ちがこもっていないように感じてしまう。他のサイトや友人とチャットをしている時、面白いステッカーを見つけたら保存するし、コレクションしているステッカーは定期的に更新している」と潘さん。
Adobeが2019年に発表した絵文字に関する調査報告によると、絵文字のユーザーのほとんどが、「絵文字を使う人は、フレンドリーで、親しみやすいと感じる」との見方を示した。「絵文字の最大のメリットは?」との質問には、絵文字ユーザーの9割以上が「言葉の壁を超えて交流することができる」や「自分の考えをすぐに伝えることができる」としていた。
バラエティーに富み人気を集める絵文字やステッカー
全体的に見ると、SNSで使われている絵文字には大きく分けて3種類ある。1つは、抽象化された文字や句読点、文章記号を組み合わせた顔文字だ。2つ目は、SNSで使われる絵文字、3つ目は文字と画像を組み合わせたステッカーだ。そのうち、ステッカーは、今人気のアイドルや語録、アニメ、映画・ドラマのスクリーンショットなどを素材にして、それに、短くてユーモラスな文字を組み合わせて作られている。静止画像もあれば、動く画像の場合もあり、チャットをする時に特定の気持ちを伝えるのに適している。こうしたステッカーは、数枚、または数十枚セットになっている場合が多い。
「薬水哥」ステッカー
微信(WeChat)のステッカーショップの人気ステッカーランキング上位には、「薬水哥」や「小醤柒」などの有名人のステッカーのほか、「冷兔宝宝」や「乖巧宝宝」といったキャラクターもののステッカー、「球球是只猫」や「焦糖是只小鼠鼠」など動物がテーマのステッカーなどが入っている。漫画・アニメのキャラクター、映画・ドラマに出演する役者、かわいい動物、手作りステッカーなどが、現在人気のステッカーだ。
「乖巧宝宝」ステッカー
また、祝祭日をテーマにしたステッカーも人気のジャンルだ。文字で祝祭日を祝うメッセージを送信するよりも、変化に富むステッカーを送信するほうが、生き生きとしたお祝いムードを高めることができる。近年、ステッカーが人気になるにつれて、ステッカーをダウンロードして使うようになる中・高齢者も増えている。そして、年齢的特徴を備えた「中・高齢者向けステッカー」が登場している。その他、文化財ステッカーや甲骨文字ステッカー、大ヒットドラマステッカー、顔を変えることができるステッカーなどもあり、ネットユーザーの間で人気を博している。
中・高齢者向けステッカー
産業化の道を歩むステッカー
ステッカーは広く普及し、今では産業化発展の道を歩むようにさえなっている。
業界関係者によると、ステッカーを製作することによって利益を出す方法には3つある。1つは、製作したステッカーをステッカーショップにアップし、ダウンロードするユーザーが払ってくれるチップだ。2つ目は、デザイナーが企業から注文を受けて製作する方法だ。3つ目は、知的財産権を通して利益を得る方法だ。
しかし、あるステッカーの製作者は、「アップして2年くらいになるステッカーは、チップを払ってくれたユーザーの数こそ多く、1万人以上に達しているものの、1人当たり2元ほどにとどまっている。現在、有料のステッカーもあるが、1‐6元と、どれもとても安い」と明かす。
ユーザーのチップ頼りの場合、その収益は不安定で、企業からの注文などもまだ少ないため、ステッカー製作者の多くは今、3つ目の方法を通して利益を確保するようになっている。パブリシティ権を商業ブランドに売ったり、ステッカーの関連商品を販売したりする方法だ。人気ステッカーの場合、文房具やぬいぐるみ、絨毯、スマホケース、モバイルバッテリーなどの商品にすることができるほか、アニメや、ゲーム、映画などの関連商品を打ち出しているブランドのイメージキャラクターもいる。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年10月10日