2020年もすでに大半が過ぎようとする中、ついに今年初めての「連休らしい」長期連休を迎えることができた。今年の国慶節(建国記念日、10月1日)の8日間の連休には、中国国内の交通輸送、ホテル、観光地、レジャー・休暇商品などが全面的に活発になり、活発さを最も直接的に示す旅行関連消費は新型コロナウイルス感染症の影から抜け出して新たな発展段階に突入した。第三者交通チケット予約プラットフォームによると、今年の連休期間には交通輸送が全体で前年同期比100%増加し、連休の旅行消費の力強い回復を直接的に後押しした。
交通運輸部(省)がまとめたデータでは、10月1-8日、全国の鉄道の旅客輸送量は延べ3億7900万人、一日あたり旅客輸送量は延べ4737万人に上った。このうち1日の国慶節当日の全国の鉄道、道路、水路、民用航空の旅客輸送量は延べ6586万2300人に上り、今年になり感染症が発生してからの最高を記録した。
観光旅行や短距離旅行などでの観光客の流れは高水準が続いて、高速鉄道ツアーや周辺観光ツアーの人気につながった。全国で受け入れた観光客は延べ6億3700万人、観光収入は4665億6千万元(1元は約15.8円)に上り、国内観光市場は力強く回復した。
連休の最初の5日間に、海南省の海口税関が監督管理を行った海南の離島免税ショッピングの購入金額は5億3千万元に達し、購入者数は8万2千人に上った。観光客の買い物熱は非常に高く、同省の離島免税政策の対象となった免税店は観光客の「必ず行きたい場所」になり、免税店でのショッピングが大きな盛り上がりをみせた。
海南離島免税政策は今年7月に重大な調整が行われ、ショッピング限度額が10万元に引き上げられた。対象商品の種類もますます増えて、消費者の人気が高い電子消費製品など7品目が新たに対象に加えられた。限度額の引き上げと対象商品の拡大の影響により、免税店で思う存分買い物をするのが、今年の観光客の新たな旅行消費スタイルになった。
観光が都市の消費を促進した。商務部(省)市場運行・消費促進司の情報によると、国慶節連休の最初の3日間に、全国のショッピングセンターの来店者数は延べ3億500万人に達した。今年は店舗側がデジタル化を加速させたため、全国のデパートにおける支付宝(アリペイ)の取引額は前月比約250%増加した。3日からは、人気観光都市のショッピングセンターの来店者が目に見えて増加し、昆明、西安、蘇州、桂林など一部の都市は回復率が90%を超え、一線都市の中では上海と北京の回復率が85%を超えた。
もう一つの特徴は、多くの若者が国慶節連休期間を結婚式の日に選んだことだ。感染症でのびのびになっていた婚礼用品の買い物が連休期間に爆発的に増加し、1-3日の婚姻関連商品(ジュエリー類)の売り上げのうち、指輪は前年同期比で100%増加し、ネックレスは同2633%増加、ダイヤのネックレスは同121%増加だった。
国慶節は元々結婚シーズンで、今年は中秋節(旧暦8月15日、今年は10月1日)が重なったこともあり、家族で集まって過ごすシーズンにもなった。連休期間の映画鑑賞ニーズは引き続き非常に高く、映画データプラットフォーム「灯塔」のリアルタイムデータでは、8日午後9時の時点で、国慶節映画の興行収入は39億5千万元を超え、観客動員数は1億人に迫り、中国の映画史上、国慶節映画の2番目の興行収入を記録した。
2つの祝日が重なった今年の連休には、飲食、観光、娯楽、ショッピングなど各方面が感染症予防・抑制の試練をくぐり抜け、消費回復に向けて予想以上の結果を出した。しかし長期的にみれば、これらは節目の1つに過ぎない。感染症対策が常態化する中、経済の全面的で持続可能な成長を促進するには、まだ長い道のりを歩まなければならない。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年10月9日