低炭素社会への転換を加速する中国 (2)

 2021年04月09日10:17

2020年11月15日8時20分、三峡プロジェクトの年間発電量は1031億kWhに達し、単一の水力発電所として年間発電量の世界記録を打ち立てた。写真は上空から俯瞰した長江三峡水利ターミナル(撮影・王罡/人民図片)

省エネと炭素排出量削減の主体は企業だ。中国宝武集団八一鋼鉄公司では、製錬炉の利用係数を大幅に高めるだけでなく、二酸化炭素排出量を30%削減できる新型循環高炉の試験プロジェクトを急ピッチで進めている。国家電投、三峡集団などエネルギー企業は先ごろ、相次いで炭素排出量のピークアウト目標を打ち出した。炭素排出量のピークアウトとカーボンニュートラルの早期実現はますます多くの企業のコンセンサスとなっており、自覚的に行動する企業が増えている。

中国国家気候変動専門家委員会の何建坤副主任は、「近年、中国は環境優先、グリーン、低炭素の質の高い発展の道を揺るぎなく歩み、炭素排出量のピークアウトとカーボンニュートラルという目標達成に向けて強固な基礎を固めた」と指摘している。

「白熱電球から省エネ蛍光灯へ、そして現在のLEDへ。本当にどんどん環境にやさしくなってきている」。照明器具販売センターで照明を選んでいた山東省平度市在住の譚小軍さんは感慨深げにこう語った。2011年、国家発展改革委員会など5部・委員会(省庁)は「白熱灯段階的淘汰ロードマップ」を発表。これにより白熱灯は徐々に人々の視界から消えていった。この行動によって中国は年間で480億kWhの節電に成功した。これは二酸化炭素排出量4800万トンの削減に相当する。

2021年3月24日、浙江省金華市の零跑汽車有限公司の工場で、新たにラインオフした新エネルギー車の検査を行う従業員。(撮影・胡肖飛/人民図片)

また、中国は近年、省エネ家電や新エネルギー車への補助金制度を施行し、エコ消費を牽引するだけでなく、家電・自動車産業のエコで低炭素な発展を促している。2020年、新エネルギー車の販売台数は130万台以上と、前年比で10%以上増加した。

中国は約束した2020年までの炭素排出削減目標を、すでに前倒しで達成した。第13次五カ年計画(2016-2020年)は単位GDP二酸化炭素排出量の17%削減という要求を掲げたが、実際には18.8%削減を達成した。第13次五カ年計画期間、中国は水力発電、風力発電、太陽光発電、建設中の原子力発電の設備容量など多くの指標で世界一を保った。2020年末にはクリーンエネルギーの発電設備容量が10億8300万kWにまで増えて、初めて石炭火力発電を抜き、総設備容量に占める割合が約49.2%に達した。(編集NA)

「人民網日本語版」2021年4月9日

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