【両会報告解説】中国、2030年までのCO2排出ピークアウト行動プランを今年策定

 2021年03月06日13:09

5日に審議にかけられた政府活動報告は、今年は炭素排出のピークアウト、カーボンニュートラル(排出実質ゼロ)と各活動を着実に実施し、2030年までの炭素排出のピークアウトに向けた行動プランを策定することが必要だと提起した。

気候変動に対処するには、二酸化炭素(CO2)を中心とした温室効果ガスの排出量を削減する必要がある。中国は、CO2排出量が30年までにピークに達するよう努力し、60年までにカーボンニュートラルの実現を目指すことを提起した。今年打ち出す予定の行動プランはまさに30年までの炭素ピークアウトの目標実現を指示したものだ。

政府活動報告は、産業構造とエネルギー構造の最適化を提起した。中国国家気候変動専門家委員会の何建坤副会長は、「経済構造の調整にはデジタル産業、ハイテク産業、現代型サービス業の発展を通じて、石炭火力発電、鉄鋼、セメント、石油化学、化学工業といったエネルギー消費量の大きな産業の拡大を抑制し、産業構造の調整・高度化を推進し、国内総生産(GDP)1単位当たりエネルギー消費量を急速に減少させ、総エネルギー消費量の増加を抑制することが必要だ」との見方を示した。

現在、中国のエネルギー構造は化石エネルギーが中心で、特に石炭の消費が占める割合が依然として高い。CO2の排出削減を推進するには、エネルギー構造の調整と最適化を行わなければならない。政府活動報告は、石炭のクリーンで効率の高い利用を推進し、新エネルギーの発展に大いに力を入れ、安全確保を前提として原子力発電を積極的に秩序をもって発展させることを提起した。

政府活動報告の計画によると、中国はさらに一連の政策と措置を制定するとしており、たとえば全国のエネルギー使用権・炭素排出権の取引市場の建設を加速し、エネルギー消費の二重のコントロール制度を整備するなどがある。

30年までのCO2排出ピークアウトを実現するには、第14次五カ年計画期間が非常に重要になる。政府活動報告は、第14次五カ年計画期間に、GDP1単位あたりのエネルギー消費量を13.5%、CO2排出量を18%、それぞれ削減することを打ち出した。この2つの指標は拘束力のある指標として管理が行われることになる。

業界の専門家は、「気候変動のさまざまな影響がすでに出ており、気候変動対応の取り組みは不可欠だ。地球温暖化が中国の耐久性の弱い地域に与える影響についての観測と評価を強化し、都市・農村建設、農業生産、インフラの気候変動への対応力を向上させ、気候変動リスクにしっかり対処しなければならない」と注意を促した。(編集KS)

「人民網日本語版」2021年3月6日

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