福建省は近年、青い海と銀色の砂浜を守るため、特色ある海の漂流ごみ総合対策の道を歩んでいる。福建省東部の海域だけでなく、厦門(アモイ)の海域でもイルカが泳ぐ光景が戻った。さらにはカブトガニなど海の珍しい生物がここで生息している。中国新聞網が伝えた。
福建省生態環境庁が明かしたところによると、全省は2020年、海面や海中を漂う漂流ごみを27万3000トン処理した。第4四半期の全省重点沿岸部漂流ごみ分布密度は、前年同期比で36%低下した。
青い海と銀色の砂浜を守るため、福建省はスマートな対策を強化し、テクノロジーによるサポートメカニズムを構築している。福建省生態環境庁海洋処の四級調研員である劉晨氏は「漂流ごみは大量に広く分布しており、従来の対策では消耗が激しく、そして労力の割に合わないことが多かった。生態クラウドプラットフォームなどの現代テクノロジーと情報化手段により管理の改善を推進している」と述べた。
福建省の13カ所の重点ベイエリア、235カ所の近海モニタリングポイント、海に注ぐ11本の主要河川、25カ所の河口流域が、生態クラウドプラットフォームによって管理されている。定期的にドローンと陸上撮影装置を使い、重点エリアの漂流ごみ及び陸から海への汚染物をモニタリングする。空撮写真、モニタリングデータなどの情報のすべてが「海洋情報一枚図」に入力される。
劉氏は「今年はさらに重点沿岸部で高画質カメラを設置する計画で、将来的にはさらにモニタリングポイントを増やす。データはリアルタイムで生態クラウドプラットフォームに接続され、識別・統計・分析を経た結果がリアルタイムで沿岸部に送られる。管轄地域の管理者は生態クラウドプラットフォームを使いリアルタイムで結果を確認できる。従来の適時性が低く、処理が間に合わないという問題を解決した」と述べた。
アモイは率先して漂流ごみモニタリング警戒・予報システムを開発し、九竜江から海に入るごみの移動経路を予測・予報している。福州市では全国初の漂流ごみ動画監視ネットワーク体制が構築され、重点沿岸部海域のフルパノラマモニタリングを実現している。福建省はさらにスマート化分析・早期警報を導入し、人工知能(AI)識別アルゴリズムを応用し、水深、海岸線、地形などの基礎的データに基づき浮遊物のモニタリング、識別、早期警報、分析を行い、漂流ごみの分布エリアと拡散経路を研究・判断している。
劉氏は「生態クラウドプラットフォームにより、各地は管轄地域内における海の漂流ごみ問題が深刻な沿岸部、主なごみの種類、ごみが広がる面積と密度をリアルタイムで把握できる。処理後の画像や動画などによる改善状況を随時アップし、クラウド『1枚網』による管理を実現している」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年3月30日