中国の人口高齢化、経済発展の足かせになるとは限らず

人民網日本語版 2021年10月08日14:39

香港科技大学、上海大学、国際応用システム分析研究所(IIASA)が共同で指導した研究によると、中国の低出生率と人口高齢化が中国の社会・経済の発展にとって足かせになるとは限らない。中国人口の教育水準の持続的な向上は、低出生率と人口高齢化がもたらすマイナスの影響を相殺する可能性があるからだ。

中国の公式データによると、中国の出生率は近年低下を続けている。中国の昨年の出産可能年齢の女性全体の出生率は1.3(1人の女性が出産可能年齢に平均わずか1.3人を出産)で、比較的低い水準だ。高齢化に積極的に対処するため、中央政府は3人目までの出産を認める政策を打ち出した。各地方政府も次々と出生奨励策を行っている。

研究によると、世界的な高齢化への懸念は事実上、年齢構造の影響に関する過度に一部のシンプルで、さらには時宜に適さない仮説の上に成り立っている。一般的に言えば、人口学者は、扶養比率に基づき人口高齢化の経済発展への影響を計る。扶養比率とは子ども(15歳以下)と高齢者(65歳以上)人口の15-64歳の労働力人口に対する比率のことで、子どもと定年退職者は通常、労働力人口によって養われるべきとの論理が働く。もし労働力人口の参加率が変わらなければ、人口高齢化によって若い労働力人口による扶養を必要とする高齢者が増え続けることになる。だがこの仮説は労働力の参加率の変動及びすべての労働者の生産力が完全に一致しないことを考慮していない。

研究チームは、人口と経済の潜在的な発展を分析する新たな方法を開発した。この方法は人口の年齢と性別の他にも、労働力の参加や教育水準など生産力に影響する重要な要素も考慮した。研究者はこの新たな方法により、中国の将来の経済発展の見通しが報道されているよりも大きく楽観できることに気づいた。特に女性は教育水準の向上に伴い、労働市場へ進出する傾向が強い。

研究者は、「我々は、新世代の労働人口の教育水準は持続的に向上し、定年退職者を上回るようになり、新世代の生産力も大幅に向上することを発見した。これらの良好な教育を受けた若者は徐々に教育水準が比較的低い高齢者に取って代わるが、これは人口高齢化がもたらすマイナスの影響を相殺する可能性がある」と述べた。

研究によると、中国の労働力総数は2025年までに減少を始めるものの、労働力市場に進出する若者が定年退職者の教育水準を大きく上回るため、良好な教育を受けた労働人口が増加を続けることになる。彼らが比較的高い生産力を持つことは、中国の低出生率と人口高齢化が中国の社会・経済の発展にとって足かせになるとは限らないことを意味する。(編集YF)

「人民網日本語版」2021年10月8日

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