世界には少なくとも768種の毒ヘビがいる。毒ヘビに噛まれることによる死亡とケガは、最もよく見られるものかつ最もおろそかにされる熱帯病だ。中国科学院昆明植物研究所が14日に明らかにしたところによると、同研究所の天然薬物機能プロテオミクスチームはこのほど、斬新で効果的なヘビ咬傷の診断抗体の研究開発策を打ち出した。試験紙によりわずか5−10分で正確に毒ヘビの種類を判断でき、速やかで効果的な治療の貴重な時間を稼げる。科技日報が伝えた。
中国科学院昆明動物研究所の頼仞研究員は、「毒ヘビの種類の正確で効果的な判断は、咬傷の速やかな治療の鍵となる。毒ヘビの種類の判断は主に医師の経験、患者の毒ヘビの形態に関する説明、同時に蛇の分布の特徴に基づき行われる」と説明した。頼氏が率いる同チームは長期的に、毒ヘビの毒液の成分及び毒理メカニズム、ヘビ咬傷の治療の研究に注目している。同チームはこのほどマルチオミクスデータを結び付け、中国のタイワンハブやタイワンアオハブなどの猛毒ヘビの毒成分の特異性、免疫原性、空間的アクセシビリティを分析し、斬新なヘビ咬傷の効果的な診断抗体の研究開発策を打ち出すとともに、これに基づき2種の近縁種の猛毒ヘビの特異性診断抗体及び診断試験紙の開発に成功した。わずか5−10分で毒ヘビの出処を判断し、下限が1ミリリットル当たり10ナノグラムを下回る粗毒を検査でき、治療の貴重な時間を稼げる。
同研究成果はすでに国際的な学術誌「Frontiers in Immunology」に掲載され、世界の同業者から高く評価されている。頼氏は、「投稿し採用されスピーディに発表されたことは、世界の同技術に対する切実な需要も反映している」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年11月15日