試合の合間にリンクの表面を整備する国家ピードスケート館の中国と外国のスタッフ(撮影・張晨霖)。
「EXPERIENCE北京」スピードスケート中国オープンが10月、中国の国家スピードスケート館(通称、「アイスリボン」)で開催され、クオリティの高いスケートリンクが中国国内外の選手の間で高く評価された。人民日報海外版が報じた。
国家スピードスケート館建設当時から現在までずっと見守ってきた運営チームのリーダー・武暁南氏は、同館のスケートリンクについて、「これは、北京冬季五輪で駆使されている二酸化炭素(CO2)の超臨界直接冷却技術を使って製氷されている。この技術を使って製氷するのは3回目だが、中国と海外の製氷専門家の息がどんどん合うようになってきており、スケートリンクの製氷をわずか10日間で完成させることができた」と胸を張る。
国家ピードスケート館のリンクの面積は約1万2000平方メートル。環境にやさしい製氷技術を採用し、それにより削減できるCO2排出量は、120万本分の木を植樹して得られる効果に匹敵するという。また、CO2を使った製氷技術は、氷の表面の温度差を0.5度以内にコントロールすることができ、選手が最高のパフォーマンスを発揮できるようバックアップしている。
この「スピーディーな製氷」をサポートするためにカナダから中国にやって来た専門家のマイク氏は、60代のベテランで40年以上の製氷の経験があるだけでなく、冬季五輪5大会で、製氷に関わってきた。マイク氏率いる製氷チームに、多くの中国の専門家も加わっており、その腕を急速にあげているという。今年4月にアイスリボンの2回目の製氷が行われた際、中国の製氷チームは単独で7日間かけて、その作業を完了させた。
「自信がついた」と話す国家ピードスケート館企画開発部の馮剛副経理は「冬季五輪の経験により、我々には世界の製氷専門家とはまだ差があることを知った。五輪後のスケート場の長期にわたる運営のために経験を積み、人材を育てることもできた」と語る。
「弟子」を受入れ、人材を育てることに関して、マイク氏も、「この仕事をして40年以上になる。製氷はとてもワクワクする仕事だが、従事する人がどんどん少なくなっている。中国のウィンタースポーツが発展するにつれて、中国の製氷人材の未来も明るくなっている。これは北京冬季五輪のもたらす重要な遺産となるだろう」とその熱い思いを語った。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年11月12日