年が明けたばかりの1月前半、中国外交は充実した日程をこなした。1月4日から7日にかけて、王毅国務委員兼外交部長(外相)がエリトリア、ケニア、コモロを訪問し、中国が32年間続けている新年最初にアフリカを訪問するという伝統を継続。その後、王部長はモルディブとスリランカを訪問した。10日から14日にかけて、サウジアラビア、バーレーン、クウェート、オマーンの湾岸協力会議(GCC)4ヶ国外相及びGCCの事務局長が訪中した。12日にはトルコ外相が訪中し、13日にはフランス大統領外交顧問が訪中して第22回中仏戦略対話を行い、14日にはイラン外相が訪中した。人民日報海外版が伝えた。
「新年最初の中国国内での外交及び国外での外交を通じて、中国は平和と友好、互恵協力、国際・地域問題への積極的参加という責任ある態度を示した。中国外交の打ち出した理念と構想は、日増しに求心力を高めている」との認識で外国メディアは一致している。
「過去32年間、中国の歴代外相は例外なく、新年最初にアフリカを訪問してきた」。ケニアのニュースサイトは、中国の王毅部長が長い歴史を持つこの伝統に従い、エリトリア、ケニア、コモロを新年最初に訪問したことを上記のように報じた。
最近では、GCC加盟国が訪中したことも各方面から注目された。GCC加盟国の外相が集団で外国を訪問したのも今回が初めてだ。このうちサウジアラビア、クウェート両国は、OPECの中心メンバーでもある。
AFP通信は、石油を豊富に産出する湾岸諸国の高官が1月10日から5日間の日程で訪中し、中国政府とエネルギー協力の強化などについて話し合ったことを報道。近年中国は湾岸諸国との関係強化を図り続けており、今回の訪問がGCCとの自由貿易協定交渉の突破口を開く後押しになるとの見方を示した。
アルジャジーラは「中国とGCCは2004年に自由貿易協定交渉の開始を決定し、2021年3月には交渉再開の可能性を議論した。今回の集団訪中で、湾岸4ヶ国は中国側とエネルギー協力の強化を図る可能性がある」と報じた。
ロイター通信は湾岸4ヶ国の訪中について、エネルギー以外の話題にも注目。「中国はサウジアラビアとの会談後の声明で、新エネルギー、電子商取引、法執行・安全保障、中国語教育、共同考古学調査などの分野でサウジ側との協力を拡大することを表明した」と報じた。(編集NA)
「人民網日本語版」2022年1月17日