戦争に便乗し巨額の利益を吸い上げる米国

人民網日本語版 2022年04月02日16:52

ロシアとウクライナの衝突が生じてからすでに1ヶ月以上が経とうとしている。壁が崩れ落ち、塀が壊れた建物が並ぶ街の様子や、路頭に迷い、あてどなくさすらう難民の姿は、戦争というものの残酷さを余すところなく伝えている。しかし今回の衝突の「火付け役」であり「たきつけ役」である米国は、そこから大きな利益を吸い上げているのだ。(文:張紅・本紙論説員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)

いわゆる「軍産複合体」とは、米国の軍隊、軍需産業、政府、国会などが密接に協力し、シンクタンクやメディアなどと結託して結成した利益団体だ。「戦争は米国にとって大きなビジネスだ」という米アメリカン大学歴史学者のピーター・カズニック教授のこの言葉は、米国という国の本質が軍産複合体であることをはっきり示していると言えるだろう。こうした角度から見るなら、今回のロシアとウクライナの衝突は米国という軍産複合体が巨額の利益を吸い上げるために、綿密に練り上げ、でっち上げた「最新作」と言える。

今回のロシアとウクライナの衝突で、米エネルギー大手は巨額の利益を手にしている。米国に巻き込まれてロシアに制裁を発動した欧州は今、石油と天然ガスの供給不足に苦しみ、その一方で米国の原油輸出量は大きく増えている。米エネルギー省のまとめたデータによれば、3月18日の米国の原油輸出量は380万バレルにまで増加し、2021年7月以来の最高を更新した。また米国は今回の衝突に乗じて欧州に天然ガスも売りさばいている。

そして、米国は金融市場でも相次いで利益を手にしている。動揺する情勢がグローバル金融市場のパニックムードを絶えずかき立て、米連邦準備制度理事会(FRB)は引き締め政策に向かい、これが米国債の収益率を引き上げている。グローバル資本市場では、米ドルの覇権的地位がますます強固なものになった。こうして、米国は再びグローバル資産において、利益をむさぼり取るようなお馴染みの手口で儲けているのだ。

こうした利益獲得において、当然ながら米国の軍需産業グループも忘れてはならない。8億ドル(1ドルは約122.5円)規模の支援計画や、何千基や何万基にも上る対戦車ミサイルと地対空ミサイル、大量のステルス戦闘機「F-35」の受注など、米主要軍需企業の株価は最近大幅に値上がりし、ドイツやスウェーデン、デンマークなど欧州各国は国防予算を相次いで増額し、軍需産業グループにとっては、これらすべてが「魅力的なカネの匂い」を放っている。

このように米国が苦心して戦争の脅威を騒ぎ立て、地域の矛盾を激化させるのは、動揺する国や同盟国・パートナーから、ひいては世界から、巨額の利益を吸い上げようとする「吸血鬼」のような米国の真の姿にほかならない。米国は戦争で暴利をむさぼり、富を奪うことに慣れっこになっており、よりどころとなっているのは「天下に覇を唱える」と言われるその軍事力だ。現在、戦争による「ボーナス」を心ゆくまで味わう米国は、ほしいままに轟音を上げる戦争の兵器に絶えず「エサ」を与えている。3月28日、バイデン米大統領は議会に2023年度の予算教書を提出し、その中で国防予算は8133億ドルとされていた。米国で国防予算が8千億ドルを突破したのはこれが初めてであり、米国の歴史始まって以来最大の国防予算でもある。この記録的な国防予算を、世界は高く警戒する必要があると言えるだろう。(編集KS)

「人民網日本語版」2022年4月2日 

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