パンダの着ぐるみ姿で赤ちゃんパンダの世話をする飼育員の写真が、ネット上で話題になっている。写真に写っている飼育員は、自分が人間であることをカモフラージュするため、パンダと接する時に特製の着ぐるみを着用している。その着ぐるみ姿は、確かにパンダではあるけれどやはりどこか奇妙で、大真面目な中にもちょっと茶目っ気が漂っているようにも見える。ネットユーザーからは、「ハハハ、赤ちゃんパンダがこの着ぐるみパンダを怖がっているかどうかは分からないけど、少なくとも私はかなり怖い」といったコメントが数多く寄せられている。
中国動物学会動物行動分科会副理事長兼秘書長を務める北京師範大学生命科学学院の劉定震教授は、「インプリンティング(刷り込み)行動は、動物行動学的見地からすると非常に典型的な現象だ。同じような現象は他の哺乳類にもみられる。飼育員がパンダの着ぐるみを身に着けて赤ちゃんパンダを世話するのは、パンダがインプリンティングにより人間を親と勘違いして依存してしまうことを避ける目的がある。将来、彼らを野生に返した時、人間に自分から近づくのではなく、人間を避けるようになる」と説明する。
また劉教授は、「ここ数年間に野生化訓練を受けて野生化した個体の様子から、着ぐるみは一定の効果があることが分かっている。野生化した個体は全て、人間の話し声など人間の活動に警戒を示し、人間を避ける行動をとっている」とした。(編集KM)
「人民網日本語版」2022年8月22日