中国と米国は正しい付き合い方を見出さねばならない

人民網日本語版 2023年02月01日15:52

インドネシア・バリ島での中米首脳会談以来、両国の外交・安全保障チームと財政・金融・経済・貿易チームは意思疎通を重ね、両国首脳の議論した重大な問題をフォローアップし、双方間の共通認識を実行に移してきた。国際社会は、中米双方が共に努力し、両大国が正しい付き合い方を見出し、混迷する世界に安定性をもたらし、新型コロナウイルス感染症のパンデミック後の世界経済回復、気候変動対策、地域紛争解決の促進に大国としての役割を発揮することを望んでいる。(人民日報「鐘声」国際論評)

近年、米国の対中政策が常に中国をいわゆる「戦略的競争相手」と見ることに固執しているために、中米関係は難局を脱することができず、世界の平和的発展にも不安定化要因がもたらされてきた。米イェール大学上席研究員のローチ氏は「米中間の争いが絶えない場合、双方が重大な世界的問題を解決する能力は著しく制限される」と警告した。米側は、世界には常に競争があるが、競争は互いに学び合い、追いかけ合い、進歩し合うものであり、勝つか負けるか、生きるか死ぬかのものではなく、盲目的な反中は通用しないということを明確に認識すべきだ。

習近平国家主席は、中国と米国のような2つの大国に、大きな原則的共通認識がないことがあってはならないと指摘した。原則があってこそ方向性があり、方向性があってこそ意見の相違に適切に対処し、協力を拡大することができる。バリ島での会談で、両国首脳は中米関係の指導原則を確立する重要性で一致し、建設的な議論を行った。中国側は中米が相互尊重、平和共存、協力・ウィンウィンを堅持する必要性を強調した。これは中米関係発展の方向性を指し示し、中米関係が針路を逸れず、失速せず、ましてや衝突することのないよう、正しい針路に沿って前進するようにするものだ。

相互尊重は中米交流が積み重ねてきた重要な経験であり、両国関係を正常な軌道に戻すための基本的な前提条件でもある。歴史と文化、社会制度、発展路線の異なる2つの大国である中国と米国は、過去においても現在においても相違や溝があり、今後もそうであろうが、それが中米関係発展の障害となるべきではない。中国は米国の社会制度を尊重しており、米国が負けると考えたことはなく、米国が引き続き開放的で自信を持ち、発展と進歩を続けることを望んでいる。それと同様に、米国も中国の発展路線を尊重すべきだ。中国共産党の指導と中国の社会主義制度は14億人余りの国民から支持されており、中国の発展と安定を根本的に保障するものだ。中米間の付き合いにおける重要な一線は、こうした違いを認め、尊重することであり、同一性を強要し、相手国の制度の改変、さらには転覆を企てることではない。米側はこの点を正しく把握し、イデオロギー的偏見による強要的対中政策を止め、言行不一致ではなく、「中国の体制を尊重し、その改変を求めない」などの約束を具体的行動に反映させなければならない。

中国と米国が衝突せず、対立せず、平和的に共存することは、両国にとって最も基本的な共通利益だ。中国は自主独立の平和外交政策を揺るぎなく遂行し、世界平和の維持、共同発展の促進という外交政策の趣旨を常に堅持する。米国の一部は冷戦思考から脱却できず、中国が着々と発展するのを見て、中国を仮想敵国と見なしている。これは両国の平和的共存にとって重大な障害であり、米側は早急に取り除かなければならない。国際関係の基本準則と中米間の3つの共同コミュニケを遵守することは、両国が摩擦や溝を管理・コントロールし、対立や衝突を防ぐうえでの鍵であり、中米関係にとって最も重要な防護網であり、安全網でもある。「冷たい戦争」であれ「熱い戦争」であれ、あるいは貿易戦争であれ科学技術戦争であれ、中国と米国がひとたび衝突し、対立すれば、最終的には中米両国と世界各国の利益が損なわれる。台湾問題は中国の核心的利益の中の核心であり、中米関係の政治的な基礎であり、中米関係にとって最大の越えてはならないレッドラインである。米側は中国を封じ込め、抑え込むことへの固執を放棄し、「『新冷戦』を求めず、同盟関係を強化して中国に対抗することを求めず、『台湾独立』を支持せず、『二つの中国』『一つの中国、一つの台湾』を支持せず、中国と衝突を起こす意図を有しない」という約束を実際の行動に移すべきだ。

協力・ウィンウィンは半世紀にわたる中米関係を事実に即して描写したものであり、双方が引き続き目指すべき共通の目標でもある。中米は二国間・多国間の分野で広範な利益を共有しており、協力できる事、協力すべき事が多い。双方は「協力のリスト」の項目を減らすのではなく、増やすように努力すべきだ。中国税関の統計では、中米間の貿易額は2022年に過去最高の5兆500億元(1元は約19.2円)に達した。これは、米側の一部が中国との「デカップリングと産業・サプライチェーンの分断」に固執する状況にあっても、中米両国民が協力を選択し、中米協力の原動力がウィンウィンにあることを存分に物語っている。バイデン大統領はバリ島での会談で、中国とのデカップリングを求める意図も、中国の経済発展を妨害する意図もないことを明言した。米側は言行を一致させ、経済・貿易・科学技術問題の政治化と武器化を止めるべきだ。様々なグローバルな課題への対応において、中米の協力を国際社会は広く期待している。米国のポールソン元財務長官は最近、「フォーリン・アフェアーズ」への寄稿で、「米中関係が安定しなければ、利益を共有する問題において協力することができず、世界は非常に危険でさほど繁栄しない状態になるだろう」と指摘した。

中国と米国が正しい付き合い方を見出すことを、両国と世界各国の人々は広く期待している。双方は歴史と世界、人々に対して責任を負う姿勢で、対立ではなく対話、ゼロサムではなくウィンウィンという交流の基調を確立して、実際の行動によって、中米関係が健全で安定した発展の軌道に戻り、両国に幸福をもたらし、世界に恩恵を及ぼすことを後押しするべきだ。(編集NA)

「人民網日本語版」2023年2月1日

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