NATOのストルテンベルグ事務総長は先般、韓国と日本を訪問した際、地域情勢の緊張を誇張することでNATOとアジア太平洋諸国との結びつきを強化し、さらには「アジア太平洋版NATO」を構築することを企てた。NATOによるこの企てには、軍拡競争を招き、地域の安全と安定を脅かす危険性がある。(文:鄭載興・韓国世宗研究所安全戦略研究室室長兼中国研究センター長。人民日報掲載)
現在、米国は「ファイブ・アイズ」、米日印豪の枠組「クアッド」、米英豪の安全保障枠組み(AUKUS)、「インド太平洋経済枠組み」(IPEF)を通じて、中国に対する圧力を強めるとともに、NATOをアジア太平洋に引き入れようとしている。アジア諸国がこうした米国の動きに歩調を合わせ、この地域でNATOと新たな安全保障同盟を構築した場合、地域構造は「新冷戦」の方向へと変化し、安全保障上のリスクが顕著に高まることになるだろう。NATOがアジア太平洋に触手を伸ばすことは、朝鮮半島の平和と安定にとってもマイナスだ。
中国は積極的に世界の多極化を促進し、人類運命共同体の構築、新しいタイプの国際関係構築の促進に尽力している。周辺諸国との関係を扱う際、中国は「親誠恵容」及び「近隣国と親しくし、近隣国をパートナーとする」周辺外交方針を堅持し、周辺諸国との友好的な相互信頼と利益の融合を主体的に深めている。中国はアジア太平洋地域における様々な小集団作りに反対し、各国が真の多国間主義を堅持するべきであることを強調している。
現在、アジア太平洋地域の平和と安定は新たな状況に直面している。朝鮮半島の平和と安定の効果的な維持も含め、安全保障上の様々な試練に効果的に対処するためには、アジア太平洋諸国は自らの絶対的安全を追求し、排他的な軍事・安保同盟を拡大するのではなく、開放・包摂を堅持し、多国間主義を堅持し、対話と協力を通じて溝を解消するべきだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2023年3月2日