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日本企業訪問ツアーの中国人大学生が目にしたものは?

人民網日本語版 2017年09月12日09:25

「笑顔を見せると、自動販売機が飲みたい飲み物を出してくれるんだって!」という話を聞いた広東海洋大学の陳林さんは、いてもたってもいられず自分で試しに行った。思い切り口角を上げて標準的な笑顔を作ると、「ガタン」という音とともに機械から飲み物が出てきた。「中国青年報」が伝えた。

陳さんが試したのは日本の富士電機が製造したスマート自動販売機だ。顧客の性別や年齢などのビッグデータを収集分析し、その顧客の好む飲み物を「当てる」のだという。

8月1日から5日までの5日間、日本の経済広報センター、中国の中国青年報社、広東省人民対外友好協会、中国大学メディア連盟が共同で主催した「大学生記者の日本ツアー」が行われた。ツアーでは陳さんなど5人の大学メディアの記者が日本の有名企業6社を訪問した。

「日本には約365万台の自動販売機があり、その半分が弊社の製品です」という富士電機社員の説明を聞いた陳さんは、同社の自販機が大きな市場シェアを占めるだけでなく、多くの面で企業の社会的責任を履行していることを知った。たとえば、地震が多発する日本で、マグニチュード5以上の地震が発生すると、同社は遠隔コントロールシステムを通じ、被災地にある自販機を開放し、被災した人々が無料で商品を利用できるようにする。また自販機にはAED(自動体外式除細動器)も備わり、緊急時に速やかな救助活動が行えるようサポートするという。

コンビニエンスストアのローソンの環境配慮型店舗を視察するまで、広東工業大学の羅政さんは、「ローソンの省エネ設備はきっとものすごく大きくて立派なんだろう」と考えていたが、実際目の前にしてみると、それは想像を裏切るものだった。驚いたことに、見慣れた店舗の建物、屋根、床面から、冷蔵庫などに至るまで、すべて電気を循環させて利用していた。羅政さんは、「ローソンには意外にも大きくて立派な省エネ設備は全然なくて、最も単純な省エネ原理で私たちがよく目にする普通の設備を運営しているだけだった」とその感想を述べた。

大学メディアの記者・陳佳楠さんが「御社を一言で言い表すなら?」という質問をしたところ、三菱地所株式会社開発部の高木一真さんからは、「ロマン」という思いがけない答えが返ってきた。高木さんは、「今の社会には頑固でお堅い人がたくさんいるが、うちの同僚たちは理想を抱いた人ばかりだ」と説明した。

陳さんによると、「昔の三菱一号館は老朽化のため1968年に取り壊しになった。それから40数年後、三菱地所は復元して三菱一号館美術館とすることを選択し、当時の製造方法や技術を使用するだけでなく、外壁の3万個近い赤レンガは昔の建物の風格を再現するように特別に焼き上げたものが使用された」という。同美術館の館長は三菱一号館の再現についての質問に対し、「三菱一号館はかつての美しき良き時代を代表するもの。今、当時の歴史を振り返ると、真に大切にし継承するに値するものは何なのかがわかる。100年後にまた、ここが良き時代の記憶を引き継ぐ場所になることを確信する」と答えた。陳さんは、「三菱地所が考えるのは100年後の歴史的価値であって、目先に利益ではない。これは確かにロマンチックだ」と思ったという。

産業技術総合研究所(AIST)の展示エリアで、中山大学の白雪原さんは2頭のアザラシ型ロボットに興味を引かれた。頭をなでてやると、2頭は赤ちゃんのような声で反応し、可愛らしい表情を浮かべた。

AISTの橋本佳三さんの説明によると、「このマッサージタイプのロボットは主にうつ病患者の心理療法に利用される。かわいいイメージ、赤ちゃんのような鳴き声、愛らしい動きをする両手と体をもつこのロボットは、うつ病患者の気持ちを落ち着かせ、安定した心理状態に導く治療効果がある。抗うつ薬の服薬量を減らす効果もあり、国や社会保障の負担削減にもつながる」という。

陳佳楠さんは遊園地のよみうりランドで「カスタムガレージ」という自動車部品の取り付け・試乗アトラクションを体験した後、「童心に返るのに年齢は関係ない。楽しみはみんなのものだ。初めはこのアトラクションにそれほど期待していなかったが、色とりどりの自動車部品が並んだメンテナンス空間に足を踏み入れ、作業員がかっこいい作業着を着ているのを見ているうちに、ゲームの世界に入り込む感覚を味わった」と述べた。

よみうりランド遊園地事業本部の曽原俊雄副本部長の説明によると、「2009年、よみうりランドは昔の駐車場があった場所を新型遊園地の『グッジョバ!!』に改装し、来場者は遊びながらいろんなことを学べるようになり、『製品製造』の過程を体験し楽しめるようになった」という。

世界で最もにぎわう交差点と言われる東京・渋谷の交差点で、混み合いながらも秩序よく流れる人の波が羅政さんに深い印象を与えた。羅さんは渋谷の主要デベロッパーである東京急行電鉄株式会社への期待を膨らませた。同社広報部広報課の森田創課長はツアーの学生たちに対し、「東京で2020年に五輪が開催される。これからの3年間に、東京で最も大きく変化するのは渋谷だろう。東急電鉄はビルを建設改修する時には地元の人々が休んだり休日のイベントを楽しんだりできる広場を作り、渋谷川の復元工事にも着手し、川沿いの空間を利用して立体緑化工事を進めていく」と述べた。

ツアー最終日、白さんはSNSのモーメンツに、「この6社の日本企業は、それぞれ違う分野の企業でありながら、共通点もあった。それは社会に対する責任感と、人類の良き生活と未来をともにつくろうとする願いを抱いているところだ」と書き込んだ。(編集KS)

「人民網日本語版」2017年9月12日

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