中国は現在、卒業シーズンを迎えており、今年は大学生750万人が卒業すると見られる。一線都市である北京や上海は、現地の戸籍を取得するのが難しくなっている一方、二線都市である武漢、西安、長沙などは、大学生100万人を定住させたり、大学生100万人を呼び込んで起業してもらう計画を打ち出している。良い人材のいる都市でなければ明るい未来はないということに、二線都市は既に気付いている。北京青年報が報じた。
中国では、「人材争奪戦」が再び繰り広げられている。しかし、時代背景の変化と共に、都市の競争も新たな段階に突入している。これまでに繰り広げられきた「人材争奪戦」は、主に出稼ぎ労働者をメインとした、産業労働者をめぐるもので、ローエンド製造業に集中していた。そして、一般労働者や初級技術者をメインとし、伝統産業の分野に集中し、労働者の素質に対する要求は高くなかった。出稼ぎ労働者は、「渡り鳥」のように働く場所を転々とするため、各地の企業は労働者を引き留めるために、春節(旧正月)前後になると「人材争奪戦」を展開するものの、近年は、その勢いに衰えが見えてきた。
人口ボーナスが消えるにつれ、出稼ぎ労働者の数は減少し始め、伝統産業も経済成長速度が鈍化したため、企業の費用対効果が下がり、高騰する人件費に耐えられなくなっている。「産業構造の転換、高度化が急務となっている。新経済、新商業のスタイルが次々に登場し、強い成長を見せており、それに伴って労働者の素質に対する要求も高くなり、高学歴、高所得、高技術が主な流れとなっている。
現在、中国の二線都市で繰り広げられている「人材争奪戦」は、経済のモデル転換、高度化のために必要なことで、そこで白羽の矢が立てられたのが大学卒業生。各地は、「戸籍を取ってから就職」、「戸籍取得にハードルなし」、「家賃手当て支給」、「起業手当て支給」などの政策を次々に打ち出して、新卒者を現地に呼び込もうとしている。これは都市の競争が高次元に突入していることを示しており、産業の呼び込み、企業の呼び込み、優待政策の打ち出しから、人材の呼び込みへの段階へと移行しており、その対象もハイエンド人材である新卒者がメインとなっている。これは、二線都市の経済構造に変化が起きていることをも示しており、伝統製造業もサービス業や新興産業から、必要な労働者は出稼ぎ労働者から大学卒業生へと変わっている。
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