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「『着るアート』である着物の魅力を中国の人々に」五十嵐綾子さん

人民網日本語版 2017年03月17日14:08

<在中日本人の記録番組>中国と共に生きる 第26回>>>

外国人が体験してみたい日本伝統文化といえば、なんといっても「着物の着付け体験」。これは欧米圏に限らず、中国人にとっても同じ。今回は、「きものコンサルタント」として中国で文化交流活動や映画作品の衣装指導などを通して、日本伝統の衣文化で『着るアート』である着物の魅力を発信している五十嵐綾子さんをご紹介する。(北京滞在歴7年)

北京へ来たきっかけは中国人男性との結婚

中国人男性と日本で結婚した五十嵐さんは、2009年に夫の転勤で北京に移り、新生活をスタート。中国人と結婚した日本人妻の集まりである「和華の会」に入会し、そこでの誘いをきっかけに、北京で着物の着付け教えるようになった。

日本では子どもの頃からの夢だったピアノの先生をしながら、着付けの仕事をする母親を手伝い、着付けや着付けレッスン、テレビの衣装指導などの仕事をしていたという。そんな五十嵐さんは北京でもピアノ講師を続けながら、着物の着付けレッスンや日本文化に関する様々なイベントを開催している。着物の着付けに関しては、母親の仕事の関係で、幼い時から着物に囲まれた環境で育ち、物心ついた時には、着物を着ることができるようになっていたのだという。

季節感あふれる文化交流イベント

文化交流イベントは現在年に3-4回開催しており、生花の講師とともに季節に合わせたテーマで講演をしている。主な参加者は日本文化好きな中国人。APECの際には、内閣総理大臣安倍晋三夫人の安倍昭恵氏がイベントを見学するなど、その注目度も高い。

前回のイベントでは、日本の正月をテーマに、正月の風習や浴衣の着付け体験、風呂敷の包み方の講演をした。参加者は五十嵐さんが作成したパワーポイントの資料で日本の正月のしきたりに関して学んだ後、実際に着物の着付け体験を行った。浴衣は通常夏に着る着物だが、比較的簡単に着付けができるため、着付けイベントの際は浴衣を使用しているという。ただ浴衣では季節感が足りないので、振袖や七五三、袴の着付けの説明を取り入れるなど工夫を凝らしている。参加者たちは自分で着付けをした浴衣姿に満足した様子で、互いの写真を撮り合っていたほか、風呂敷の用途や包み方についても多くの質問が挙がっていた。

着物の魅力とは

五十嵐さんにとっての着物の魅力を問うと、「今日の着物は母が数十年前に着ていたもので、帯は着付けの先生である大先輩が、ピアノを教えている自分にプレゼントして下さったもの」とその日、身に着けて来た薄桃色の着物を例に、日本伝統の衣文化である着物の魅力はしっかりと手入れや管理をすることで、何十年も着続けることができるため、次の代へどんどん受け継がれていく点にあると答えてくれた。「ずっと繋がってる感じがいつもしている」というコメントからも五十嵐さんの着物を大切に思う気持ちが伝わってくる。また着物は様々な柄や素材、小物等とのコーディネートで、個性を楽しめるほか、長方形の布をつなぎ合わせて作っている着物は、古くなっても、クッションカバーなどにリメイクできるなど、洋服にはない魅力が数多くあるという。


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