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中国国民の戦争賠償の請求権は放棄されたのか

資料写真:康健弁護士と中国人労働者の遺族たち

 戦時中に新潟県の建設現場に強制連行されて重労働を強いられた中国人労働者とその遺族の代表が26日、北京で記者会見を行った。康健弁護士は「交渉代表の原告全員が和解条項を拒否したため和解には達していない」と「和解」のうわさを否定し、その理由の一つとして、「西松側が和解条項に『中国人は請求権を放棄している』と書き入れることを求めた」ことを挙げた。

 中国人労働者の賠償請求権の問題について、訴訟代理人の康健弁護士がチャイナネット」の特別インタビューに応じて詳しく説明しくれたた。

 「チャイナネット」:西松側は和解条項に「中国人は請求権を放棄している』と書き入れることを求めたが、その根拠は何だと思うのか。強制連行された中国人労働者は本当に請求権を失っているのだろうか。

 康健弁護士:和解条項の前書きの中に最高裁が2007年4月27日に言い渡した判決を引用し、労働者らの請求権「は裁判上訴求する権能を失った」という語句があったが、それは広島県内のの水力発電所の強制連行訴訟に対するもので、今回の新潟県の強制連行訴訟に対するものではない。そのため、これは道理に合わないことだと考ている。

 日本の裁判所の判決の由来は何だろうか。まずそれは『中日共同声明』の条項を、中国は個人を含めて全面的に請求権を放棄したと解釈しているからだ。しかし、中国政府は中国の個人を代表して請求権を放棄したとは言っていない。『中日共同声明』では中国政府は放棄すると明言しているが、個人には言及していない。戦争賠償の権利について言えば、国のものもあれば個人のものもある。これは賠償を受け入れるそれぞれ異なった主体のことだ。だから、日本の最高裁のこの解釈は法律上成立しない。

 また、この解釈は「サンフランシスコ平和条約」という枠組みに依拠しするもので、「サンフランシスコ平和条約」で請求権が放棄されたと思い込んでいるからだ。しかし、実は全部放棄したわけではなく、条件つきの放棄に過ぎない。そして、中国政府はサンフランシスコ平和条約の当事国ではなかった。サンフランシスコ平和条約の調印前と調印後に、当時の周恩来総理は中国政府を代表して声明を発表して非難した。つまり、それを認めなかったのだ。

 そのほか、こうした解釈は1952年に調印したいわゆる「日台和約(日本では日華平和条約といわれている」を考慮に入れたものだというが、この条約も中国政府は認めていないものだ。中国には1つの政府しかなく、それはすなわち、中華人民共和国政府だ。台湾と調印したものは中国にとっては不法なものだ。まして、「日台和約」にしても、国民党権力の統治地区に有効という条件がついている。

 そのため、「中国政府は中国国民を代表して全面的に請求権を放棄した」という解釈は明らかに間違いだ。外交部の報道官は2007年4月27日、「中国政府が『中日共同声明』で日本国への戦争賠償請求の放棄を宣言したのは、両国人民の友好的共存に目を向けた政治的決断だった。われわれは日本の最高裁が中国側の度重なる交渉を顧みず、この条項を勝手に解釈したことに対して強く反対するものである」と厳しく発言したことがある。

 請求権の問題をめぐって、原告と被告の西松建設の間の意見の相違は非常に大きかった。それで、双方の意見が一致していないところを和解条項に書き入れなくていい、あるいは双方の意見をともに書き入れればいいと原告側が主張したが、「一字も改めることはできない」と西松建設側は主張した。それは傲慢で強要そのものだ。

 強要の目的とするところは本当に和解だろうか。決して違うと思う。和解を今後このような事件の解決のパターンとすることにより、西松建設は「請求権を放棄した」ことを先決条件にしようとしているのだ。

 「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年4月28日

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