三菱マテリアル(旧三菱鉱業)は1日に声明を発表し、第二次世界大戦期間に日本に強制連行された元中国人労働者と和解したことを明らかにした。同社は声明の中で元中国人労働者に謝罪し、元労働者本人あるいはその遺族に1人当たり10万元(約170万円)の賠償金を支払うことを承諾した。賠償対象となる元中国人労働者は計3765人。
今回は三菱マテリアルにとって、元中国人労働者との間の初の賠償協定となる。同社の木村光・常務執行役員は同日、3人の元労働者と北京で和解に関する調印式を行った。三菱マテリアルは声明の中で、「歴史的責任に対し真摯かつ誠実な謝罪の意を表明」したほか、謝罪の証として1人あたり10万人民元を支払うとしている。
●キーワード
【赔偿协议】賠償協定
【和解仪式】和解に関する調印式
三菱マテリアルが提起した和解案を全ての元中国人労働者が受け入れているわけではない。元中国人労働者およびその家族(遺族)は2013年3月に交渉団を立ち上げ、2014年1月より三菱マテリアルとの和解交渉を開始、被害者が健在なうちに尊厳を取り戻したいと希望していた。中国側の交渉団のうち、37人の被害者からなる団体は2014年2月に北京の裁判所で損害賠償請求訴訟を起こし、2015年2月に和解交渉から離脱している。共同通信は1日、「昨年夏には、中国側の大半の交渉団が、三菱マテリアル側が提起した和解案の受け入れを表明したが、一部の元労働者が不満を表明したことと、賠償に関する交渉の遅れなどにより、和解に関する調印式が延期されていた」と伝えた。
●キーワード
【和解条件】和解案
【谈判团】交渉団
【索赔诉讼】損害賠償請求訴訟