デジタル化技術、文化財に「永遠の命」を与えるか?

人民網日本語版 2019年04月22日14:37

山西省にある五台山の隅に位置する南禅寺の面積は広くないが、中国で現存する最古の唐代木造建築だ。新華網が伝えた。

山西雲崗石窟研究院の文化財保護チームがこのほどここで3Dスキャンを行い、寺のサイズ、色彩、空間構造など一連のデータを収集し、この古い寺の「デジタル公文書」を作ろうとしていた。

雲崗石窟研究院デジタル化室の寧波室長は「データ分析・処理により文化財の現状を把握し、数年後の形態的な変化を知ることができるだけでなく、損傷が生じた場合、精度が極めて高い修復を行うこともできる」と述べた。

パリのノートルダム大聖堂が先ごろ火災で大きく損傷したことは、人々の心を痛めると同時に、文化財保護の警鐘を鳴らした。文化財専門家によると、予防的保護とデジタル化保護・利用は、文化財保護・利用水準を高める重要な手段だ。中国各地では現在、文化財のデジタル化保護が急速に推進されており、現代テクノロジーによって古い文化財を記録しようとしている。

雲崗石窟は2003年よりデジタル化の模索を開始した。寧氏によると、雲崗石窟は多くの大学及び科学研究院・研究所の長期的な研究や模索と結びつけ、高精度測量技術、3Dレーザースキャン技術、地理情報システム技術、コンピュータネットワーク技術、AI(人工知能)技術などの科学技術手段を結びつけ、雲崗石窟の貴重な文化財及び歴史的公文書を永久に保存する方法を次第に形成した。

データ収集は公文書を作る一歩目だ。3Dレーザースキャン技術により、洞窟内の各方向の断面図を作る。洞窟が多角度に表示され、雲崗石窟の3D「デジタル公文書」を作る。

ハイビジョン3Dデータのサポートにより、雲崗石窟研究院はVRゴーグルに基づく没入型石窟体験システムを作った。同システムは最多15人で同時に雲崗石窟第18窟のVRシーン内を散策できる。観光客はさらにVR蓮の花に乗り空中に登り石窟を高所から細かく鑑賞できる。

山東省青島市の雲崗石窟芸術館では、人々は山西省大同市まで行かなくても雲崗石窟の美しく精巧な仏像を鑑賞できる。

この3Dプリントされた雲崗石窟第3窟西後室では、石窟の全面的な構造、美しくリアルな像を見ることができるだけでなく、石窟の千年にわたる風化の痕跡もはっきり確認することができる。

雲崗石窟第3窟西後室のフルスケール3Dプリントプロジェクトは、雲崗石窟研究院、青島出版集団、浙江大学の協力の成果だ。複製された洞窟の奥行きは17.9メートル、幅は13.6メートル、高さは10メートル。

その後、雲崗石窟研究院は浙江大学、北京建築大学とそれぞれ提携し、「音楽窟」と呼ばれる第12窟と雲崗早期石窟を代表する18窟の3Dプリントを行った。構造はすでに形をなしており、着色後に複製が完了する。寧氏は取材に対して、「第3窟の複製品は青島市で固定的に展示される。別の2つの洞窟は移動可能で、レゴブロックのようにバラバラにすることができ、巡回展を行う計画」と話した。(編集YF)

「人民網日本語版」2019年4月22日

  

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