最近、アフリカ系男性ジョージ・フロイドさんの死が引き起こした米国内の抗議活動について、中国外交部(外務省)の趙立堅報道官は1日の定例記者会見で「中国側は米国でジョージ・フロイドさんの死が引き起こした事態の推移を注視している。黒人の命も命であり、彼らの人権も保障されなければならない」と述べた。
【趙報道官】エスニック・マイノリティへの人種差別は米国社会の宿痾であり、現在の事態は人種差別や警察の暴力的な法執行といった米国内の問題の深刻性と、その解決の必要性の緊急度を再び反映している。米国政府がしっかりとした措置を講じ、「あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約」に基づき担うべき義務を履行し、エスニック・マイノリティの合法的権益を守り、保障することを望む。
【記者】米国の高官と機関は現在の米国情勢への外国勢力の影響に言及した。ロバート・オブライエン国家安全保障問題担当大統領補佐官は、中国のSNS上に見られる米国情勢の災難を見て喜ぶ表現に特に言及した。米国情勢と香港情勢を比較するSNSが少なくないことに注意を払っている人もいる。こうした主張に対して、コメントは?
【趙報道官】オブライエン氏などの高官と米側のそうした分析には全く根拠がない。中国側は他国の内政に干渉しない。また、世界の人々は現在米国で起きている事をメディアを通じて見ている。米国の政治屋達はやはり自国の事をしっかりとすべきだ。
中国側はこれまでずっと、あらゆる形の暴力違法行為に反対してきた。我々は米側が国内に存在する人種差別の問題を直視することも望む。
質問にあった、米国の抗議デモを香港の抗議活動と同列に論じる問題に関してだが、両者は発生原因が全く異なる。香港地区の条例改正騒動では、内外の敵対勢力が様々な国家分裂、政権転覆、テロの組織・実施をしたい放題に行った。これは「香港独立」行為及び黒色暴力行為であり、国家の安全を深刻に脅かす行為だ。米国で発生した抗議活動の原因については、すでに米国メディアが非常に十分に報道している。
同じように、こう質問したい人も多いことだろう。なぜ米側は香港地区の「香港独立」分子と黒色暴力分子を英雄や闘士と美化する一方で、米国内で人種差別に抗議する民衆を暴徒と呼ぶのか?なぜ米側は香港警察の自制的で丁寧な法執行をむやみに非難するのに、国内の抗議者には発砲すると脅し、州兵を投入しまでするのか?米側のやり方は最も典型的な「世界に名を馳せるダブルスタンダード」であり、その反映している問題は深く考え、警戒すべきものだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年6月2日