香港特区政府高官は2日、立法会議員選挙の延期について「十分な根拠があり、市民の利益にかなう。政治的思惑は全くない」と説明。意見の相違を脇に置いて、新型コロナウイルス感染症を抑制するために共に努力するよう市民に呼びかけた。新華社が伝えた。
香港特区政府の張建宗政務局長は2日「立法会選挙の延期は非常に難しい決定だったが、感染拡大を阻止し、市民の健康を保障するため、また公開された公正な状況での選挙の実施を確保するためには必須であり、市民の健康の実際の状況に立脚し、市民の利益にかなうものだ」と説明した。
張氏は「立法会議員選挙は規模が大きい。300万人以上の有権者が同じ日に投票する見込みであり、新型コロナウイルス感染の非常に高いリスクを招く」と述べ、多人数の集まりを禁止する香港特区の規定により候補者が何ら意味ある集会活動を行えないこと、香港地区以外に滞在する多数の有権者が新型コロナ対策の制限のために香港地区に戻って投票することが難しいこと、高齢の有権者は新型コロナウイルスの感染リスクが特に高いため投票所へ行かない可能性が極めて高いことを指摘。予定通りに選挙を実施した場合、公開性と公正性を満たすのは困難なうえ、有権者、候補者、支持者、投票所人員の安全を危険にさらすとした。
張氏はさらに「香港地区の今回の感染状況はしばらく続く可能性がある。今年の冬に再び大流行するかもしれないうえ、立法会には重要な役割及び事務処理の年度周期があり、選挙準備にも数か月が必要だ。このため、選挙を1年延期するのは合理的な決定だ」とした。
陳茂波財政局長は「新型コロナウイルス感染症を前に、いかなる対応策も容易なものではない。立法会選挙の延期という決定はまさしくその一例だ。感染防止・抑制は大切な事であり、市民の健康と命に関わる。皆が意見の相違を脇に置いて、感染防止・抑制のために団結して努力することを希望する」と表明。
「現在特区政府は防疫を優先すると同時に、民生の保障と経済の安定化にも配慮している。現在の難関を前に、特区政府は市民及び企業への支援に尽力する方法を研究する。感染拡大を早期に抑制できれば、内陸部の巨大な市場規模と『粤港澳大湾区』(広州、仏山、肇慶、深セン、東莞、恵州、珠海、中山、江門の9市と香港、澳門<マカオ>両特別行政区によって構成される都市圏)の発展の余地も加わって、香港地区の経済は比較的早く回復する見込みがあり、市民や企業の収入も力強く回復できる」と強調した。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年8月3日