中国の王毅国務委員兼外交部長(外相)による先般の欧州5か国歴訪について、中国が欧州で外交的包囲網の突破を図ったものとの声がある。これについて中国外交部(外務省)の華春瑩報道官は2日の定例記者会見で「この見方は正しくない。正確に言うと、王毅部長の欧州歴訪は、現在の国際情勢における不確定性の高まりを背景とした、中国と欧州各国との非常に重要な戦略的意思疎通だ」と述べた。
華報道官は「中国と欧州は3つの重要なコンセンサスに達した。第1に、多国間主義を堅持し、一国主義的行為を阻止する。第2に、団結・協力を強化し、分離と分断に反対する。第3に、中国・欧州関係の大局を維持し、意見の相違を適切にコントロールする。この中で欧州5か国が最も強く訴えたのが、多国間主義を断固として守ることだ」と説明。
「中国とEUが外交関係を樹立してから今年で45年になる。双方共に、中国EU関係の一層の発展を推進すべく努力することを強く望んでいる」と述べた。
華報道官は今後中国とEUが連携してしっかりと成し遂げるべき事として(1)次の段階の上層部交流をしっかりと準備・実施して、中国EU協力の方向性を指し示す(2)中国EU投資協定交渉の年内妥結(3)「中国EU協力のための戦略アジェンダ2025」の早期調印(4)中国EUグリーン・パートナーシップの構築(5)デジタル経済協力の強化(6)多国間機関への支持を強化することを挙げた。
「中国EU関係の発展が双方の人々に多大な幸福をもたらすと同時に、世界の平和・安定・発展にも重要な貢献を果たしてきたことは事実が証明している」。華報道官は「中国側は引き続き欧州側と連携して努力し、双方関係の発展を推進するだけでなく、多国間主義と自由貿易の維持、世界の平和と安定の促進のためにポジティブなエネルギーを一層貢献したい」と述べた。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年9月3日