精米の新技術、原材料の利用率が約12%向上

人民網日本語版 2020年09月11日13:20

50キログラムの籾から精米が25キログラム余りしか出ず、製粉されると小麦が30%に減る……見た目重視の過度な加工により、食糧の大きな消耗が生じている。中国農業科学院農産品加工研究所の専門家は「中国の米と小麦の製品の加工率が10%上がれば、全国で取り戻せる食糧の損失は毎年3300万トンに上り、全国の食糧生産量10位の湖南省の1年間の生産量を上回る」と述べた。光明日報が伝えた。

食糧の節約は末端の消費面で浪費を食い止めるほか、それより前の段階の収穫・保管・輸送や加工の段階でも消耗を減らさなければならない。食卓に上がる前の食糧の浪費をいかに減らすべきだろうか。科学技術によるサポートが可能だ。

精米と小麦粉を好む人が多いが、これらの多くは過度な加工によるもので、浪費であり栄養価も低い。中国農業科学院農産品加工研究所によると、米の主な栄養素は炭水化物、タンパク質、ミネラルなどだ。他にもB1、B2、B6などのビタミンB、ニコチン酸、オリザノール、ビタミンE、フィトステロールなどの栄養素が含まれる。しかし過度な加工によりこれらの栄養素は加工の副産物である米ぬかや殻粉に残されてしまう。食糧の10%以上の浪費、70%の栄養素の損失が生じる。

過度に加工しなくても米の品質を保証するにはどうするべきだろうか。中国農業科学院農産品加工研究所は精米の度合いと製品品質の関係分析などの研究により、米の適度な加工のキーテクノロジーと胚芽米製品を開発した。同技術は現在、各地の米加工企業で広く使用されており、米原材料利用率を12%以上高め、栄養素の含有量を50%以上増やし、精米における原材料及び栄養素の損失を効果的に減らした。

人々が近年、栄養と健康に注目していることから、加工の程度が低く多くの栄養素を留めている全粒粉の人気が上がっている。しかし全粒粉の味は一般的な小麦粉にはかなわず、全粒粉が市場に本格進出できない根本的な理由になっている。中国農業科学院農産品加工研究所が開発した全粒粉マントーなどの全粒粉主食加工キーテクノロジーは、その味がよくないというボトルネックを解消した。同技術成果は河南省の某製粉企業で採用されており、原材料の利用率が15%以上も向上し、製品の栄養価も大幅に改善された。(編集YF)

「人民網日本語版」2020年9月11日

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