テレワークが中国で急成長、コロナ後もなお発展の余地

人民網日本語版 2020年08月19日14:29

資料写真

防疫期間中にも関わらず、本社を上海に置く家具メーカー「多様屋」の業績が低下するどころか逆に向上した。同社の責任者である潘淑真氏は、これはテレワークによるものだとしている。人民日報海外版が伝えた。

オンラインで文書を審査し、会議を開き、ライブ配信を行う……今年に入り、テレワークが急成長している。試算によると、今年の中国のテレワーク市場規模は、2017年の約7.5倍の448億元にのぼる見通しだ。これまでは、「通勤」と言えば、オフラインの事務が連想されることが多かった。勤務先はタイムカード、指紋、顔認証などにより従業員の出勤を拘束している。テレワークは一部の業界の企業にとって珍しくなかったが、主流の働き方にはなっていなかった。

感染症の発生後、在宅勤務、テレワーク、事務のペーパーレス化と関連する新業態が絶好調となっている。テレワークは完全に「いつでもどこでも」働く新たなスタイルのさまざまな条件を完全に満たした。非接触型の事務を実現し感染対策の需要を満たした上に、オフライン事務スタイルの常態化補完を実現した。さらには「通勤」という概念を根底から覆し、再定義した。

アリババのテレワークサービス「釘釘」の陳航CEOは「コロナ禍の人々はオンライン化とデジタル化の力を実感した。テレワークの普及は少なくとも3年早まった」と述べた。釘釘の関係責任者によると、釘釘はすでに3億人のユーザーを持ち、1500万の組織に使用されている。感染症発生後、1000万社以上の企業が同サービスのユーザーになった。釘釘はさらにクラウドサービス「阿里雲」(アリババクラウド)に10万台以上のクラウドサーバーを投入し、1億3000万人の学生のオンライン授業を支えた。

釘釘の他に、字節跳動(バイトダンス)の「飛書」、テンセントの「テンセント会議」などがある。インターネットのリーディングカンパニーが次々と投資を拡大している。高機能で信頼性の高いテレワークツールの応用規模が急成長している。

北京市の国有企業で働く馬晨さんは「在宅勤務で毎日2時間の通勤時間が省かれた。このスタイルが定着することを願う」と述べた。

専門家は、テレワークの意義は感染対策の需要である非接触だけには留まらず、コロナ後もテレワーク関連の就業者には活躍の余地が大いに残されると指摘した。

カバー対象を見ると、中国のテレワークの人口普及率は1%に過ぎないが、一部の国の成熟した市場では20%以上にのぼる。テレワークにはまだ開拓の大きな余地が残されている。陳氏は、「テレワークは多くの草創期の小規模・零細企業のランニングコストを大幅に削減できる。将来的にオンライン・オフライン融合の働き方が新たなトレンドになるかもしれない」と述べた。

5Gは予見される未来、テレワークで重要な役割を演じる。中国国際経済交流センター経済研究部の劉向東副部長は「在宅勤務やビデオ会議には臨場感が必要だ。将来的にこの分野で拡張現実(AR)もしくは仮想現実(VR)などの技術が応用される可能性がある。これはワイヤレス通信ネットワークの情報伝達のより高い安定性と接続性が必要だが、5G技術はそのサポートを提供できる」と述べた。

業界関係者は、「テレワークソフトウェアはさらに先端デジタル技術の統合・応用の担い手になる。5G、顔認証、テキスト・音声相互変換、ビッグデータなどの技術が広く融合し、人々の働き方と協同方法に深い変化をもたらす。同時にスマートネットワーク、スマートプリンティング、スマート出勤チェック、スマートフロント、ARゴーグル、スマート会議などのハード製品が企業の事務環境の重要な構成部分になりつつある。「ソフト・ハード一体化」は企業の協同事務の全シーンをカバーできる」と指摘した。(編集YF)

「人民網日本語版」2020年8月19日

最新ニュース

注目フォトニュース

コメント

| おすすめ写真

ランキング