人民網日本語版>>経済

【イラストで知ろう!イマドキ中国】 「盲盒」とは何ぞや?

第27回

人民網日本語版 2021年03月18日13:55

「盲盒(ブラインドボックス)」が中国で話題になって、はや2年ほど。つまるところは単なる箱入り玩具なのだが、今や玩具だけでなく、「猫も杓子もブラインドボックス」といった裾野の広がりを見せている。今回は、そんな中国で人気のブラインドボックスについて紹介していこう。人民網が伝えた。

「盲盒」とは何ぞや?

「盲盒」という言葉自体、日本語で紹介する際には、そのまま使用している場合や英語の「Blind Box」や「Mystery Box」から「ブラインドボックス」や「ミステリーボックス」と訳している場合など、その翻訳語にもまだばらつきが見える。ただその実体は、日本人にも馴染みの深いカプセルトイ(いわゆる、ガチャガチャ)の箱入りバージョンだ。とはいえ、カプセルトイが200~300円くらいが相場なのに対し、オーソドックスなフィギュアのブラインドボックスはおよそ1000~1300円ほどと決して安くはない。1シリーズ12種類ほどで、1~2種類のレアアイテムが含まれていることが多い。購入方法は、実店舗や自動販売機の他、ネットショッピングでも購入できる。また、「盲」という字がついていることからもわかるように、箱の中にどのアイテムが入っているかは、買って、開けてみないと分からないため、実店舗でひたすら箱を揺らして中身の見当をつけようとする人、自分の欲しいアイテムを手に入れるため、1ダース大人買いする人などもいる。

とにかくなんでも「盲盒」

中国でシェア自転車などを代表とする「シェアリング」が流行った当時、とにかく何でも「シェア」をつけたサービスが登場した。なかには「シェア」というよりは「レンタル」なのでは?というものも。同様に、ブラインドボックス人気をうけて、今や「猫も杓子もブラインドボックス」といった裾野の広がりを見せている。「中身が見えない」というだけで、「盲盒」の名を冠し、消費者の目を引こうというわけだ。箱の中に入っているものも、アニメや漫画などの可愛らしさを売りにしたキャラクターフィギュアだけでなく、農村を舞台にしたベタな東北コメディドラマの登場人物をフィギュアにした商品も、先ごろ予約販売でたちまち完売になり話題になった。そのほか、文房具やコスメ、石灰の中から発掘するタイプの考古学ブラインドボックスなど多岐にわたり、ある野菜市場などは「野菜ブラインドボックス」まで売り出したほどだ。ここまでくると、もうほとんど「福袋」じゃないかという感じがしないでもない。

何事もほどほどが肝心

「断捨離」が流行する一方で、「コレクター癖」がある人も意外と少なくない。皆が持っているから私も、というコミュニケーションツールとしてコレクションする人もいれば、日常や現実に感じている不満などをコレクションという代償行為で満たそうとする人もいる。前者のような場合、コレクションする物そのものよりもコミュニケーションに重きを置くため、「完璧にそろえる」ことにはあまりこだわりがなく、一種の楽しみとして、その消費も理性的な範囲にとどまることが多い。ただ後者のような場合、完璧にそろえられないと、「自分自身が不完全」なように思えてしまい、パーフェクトな状態になるまでコレクションをやめられない傾向があるようだ。

そのため、ブラインドボックス人気の過熱を受けて、関連報道などには理性的な消費を呼びかける内容が多くなっているほか、重複アイテムに限定した回収サービスなども展開されている。また、中古品転売プラットフォームを利用し、転売する人も少なくない。

このように「理性」に訴えかけ、「無駄を無くす」ことが呼びかけられてはいるものの、ブラインドボックスの最大の楽しみは、その対極にあるような、中に何が入っているかわからないから感じるドキドキやワクワクだ。中身のフィギュアの魅力を挙げる人もいるだろうが、それ以上に「手に入りそうで手に入らない」というスリルが中身の魅力を増大させているともいえる。かくいう私は、くじ運には全く恵まれていないので、チャレンジする勇気はもともとなかったが、今回の記事執筆のため、とある動画プラットフォームのとあるうp主による「ブラインドボックス100個を一気に開けてみた!」という動画を見て、100個開けた挙句、レアアイテムを1個もゲットできなかったのを目にし、この先も買うのはやめようと心に決めたのだった。(文・イラスト・玄番登史江、袁蒙)。

イラストで知ろう!イマドキ中国

人民網ではもっと身近なスタイルで今どきの中国を読者の皆さんに知ってもらうため、「つるにはまるまるむし爺さん」と「へのへのもへ郎」、「へめへめくつ美」の3人が流行語やカルチャー、時事問題など幅広いジャンルにおける「イマドキ」を紹介。中国ってこんな国なんだ!と興味を抱き、理解を深めるきっかけにしてみてください。 

関連記事

おすすめ写真

コメント

ランキング