夏も真っ盛り。蒸し暑さや蚊に悩まされるこの時期、中国の人々はどうやって過ごしているのだろうか?中医的に体を冷やしてくれるスイカや緑豆といった食材や、日本ではほとんど使われることが無くなっている蚊帳など、今回は中国ならではの夏のグッズを紹介していこう。人民網が伝えた。
根強い人気を保ち続ける伝統的な「夏の飲み物」
近年、中国でもバラエティに富んだアイスや冷たいドリンクが毎年夏の話題となっており、今年は特にカロリーオフのお茶やフレーバー付き無糖炭酸水などが人気を集めているが、中医に基づいた「夏の飲み物」も根強い人気を保ち続けている。日本であれば、さしずめ麦茶のような存在と言えるかもしれない。そんな伝統的な夏の飲み物とは、体を冷やす効能がある緑豆を使った「緑豆湯(緑豆のスープ)」や、甘酸っぱさがクセになる「酸梅湯(梅ジュース)」、そして広東省の人にとっては夏に欠かせない中医薬入りのお茶「涼茶」などだ。これらは缶入りになって売られていたり、アイスになったりもしている。
飲めるし汗疹にも効く?熱中症対策薬
この時期、日本でも熱中症対策という言葉をしばしば目にする。水分や塩分の補給が求められ、スポーツドリンクやここ数年は塩レモン味のキャンディーやタブレットなどの人気が高い。一方の中国でも夏場、戸外で働く人々などに熱中症対策グッズが準備されるが、上述したスイカや緑豆のスープなどの他、「藿香正気水」や「十滴水」といった熱中症対策の薬も準備される。これらの中医薬は飲み薬なのだが、外用薬として汗疹予防などにも使うことができる。ただし、味は非常に飲みづらく、飲んだら却って気分が悪くなったという話も?
夏の夜の安眠にはコレ?
「蚊帳」と聞いても、どんなものか知らないという日本の若い人も多いかもしれない。かつては日本でも広く使われていた蚊帳だが、中国では今も健在。さすがにクーラーなどが完備された都会では使われなくなってきてはいるものの、大学の宿舎や地方などではまだまだ有効な蚊よけ手段としての存在感を示している。そして夏の寝具として「涼席」も忘れてはいけない。草を編んだ「草席」、竹をつなぎ合わせた「竹席」、さらには籐や牛の皮を使って作った涼席もある。近年では化学繊維でひんやり感がある布製の寝具も「涼席」という名で売られており、材料は何であれ、夏の寝具は「涼席」!という認識は今もしっかりあるようだ。
このように、新しいものを取り入れ、新たな形への変化を遂げつつも、ベースに伝統的な中医がしっかりと息づいているのが「中国的夏の過ごし方」なのかもしれない。(文・イラスト・玄番登史江、袁蒙)。
イラストで知ろう!イマドキ中国
人民網ではもっと身近なスタイルで今どきの中国を読者の皆さんに知ってもらうため、「つるにはまるまるむし爺さん」と「へのへのもへ郎」、「へめへめくつ美」の3人が流行語やカルチャー、時事問題など幅広いジャンルにおける「イマドキ」を紹介。中国ってこんな国なんだ!と興味を抱き、理解を深めるきっかけにしてみてください。
「人民網日本語版」2020年8月12日