春になると、重慶市と貴州省遵義市を繋ぐ鉄道・川黔線を走る「緑皮車」(従来の普通列車)には、早朝に収穫したばかりの新鮮な野菜をいっぱい入れたカゴを背負ったり、竹製のカゴを手に持った沿線の農民たちが次々と乗り込んでくる。沿線の人々にとって、「バス替わり」のような存在の、烏蒙山脈を走る川黔線は開通してからこれまでの28年間、一度も休むことなく運行を続けている。そして、沿線の人々にとって、野菜を売りにでかけたり、市場に買い物にかけたり、病院や学校に行ったりするための「足」となっている。新華網が報じた。
1965年に開通した川黔線では、1日当たり70本以上の列車が運行されている。2018年に、同じく重慶市と貴州省を結ぶ渝貴線が開通してからは、少しずつ貨物列車専用線に変わり、旅客列車は今では1993年に開通した「緑皮車」5630(5629)号だけとなった。各駅停車で、料金も安く、荷物を持って乗るのに便利であるため、同列車は、沿線の山地に住む人々が学校や市場に行ったり、親戚や友人を訪ねたり、商業的往来をするための重要な交通機関となっている。
現在、5630(5629)号は遵義市-重慶間を往返(約300キロ)し、その途中の20駅以上で停車する。料金はなんと2元(1元は約16.84円)という安さだ。駅と駅の間の距離は一番短い所で4キロしか離れていない。多くの人の「思い出」が詰まるこの鈍行列車は依然として、烏蒙山脈沿いに住む人々に便利な交通手段を提供している。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年4月2日