利己主義と偏見が世界の新型コロナとの闘いを阻害

ーー政治工作では隠せない米国の不十分な新型コロナ対策(2)

人民網日本語版 2021年07月21日15:41

現在、新型コロナウイルスの変異株が頻繁に出現しており、感染防止・抑制は依然として厳しい状況にある。国際社会は一層の自信、協力、希望を差し迫って必要としている。だが米国は政治的利己主義と偏見から、行く先々で扇動的行動を取り、感染拡大に対するスティグマゼーションを行い、ウイルスに特定国や地域のレッテルを貼り、起源解明を政治化している。このような行為は、世界の新型コロナとの闘いにおける協力の大局を損なっており、人々の生命と健康を公然と無視するものだ。(人民日報「鐘声」国際論評)

利己的必要性から起源解明の結論を「デザイン」しては、計り知れない災いを後に残す。ウイルスの起源解明は厳密な科学的研究であり、新型コロナウイルスがどのように出現し、進化し、人類に感染したのかを科学者の深い研究に委ねてこそ、ウイルスに打ち勝つ方法を早期に見出すことが可能となる。短期的には、米国が何の根拠もなく「実験室漏洩説」を宣伝し、恣意的に中国のイメージを損ない、科学的問題を政治化することは、正しい答えを見出すことを妨げ、ウイルスの起源解明における世界の協力を妨げるだけだ。長期的には、ウイルスの起源解明を政治化するロジックは荒唐至極だ。ある意味において、人類の文明史はウイルスとの闘いの歴史だ。「もし新型コロナウイルスのゲノム配列を最も早く公表するとスティグマゼーションの対象になってしまうのなら、今後どの国が新たなウイルスを速やかに報告するだろうか?」「もし真実を伝えると様々なレッテルを貼られるのなら、今後どの科学者がウイルスの研究をしようとするだろうか?」と、各国の科学者は懸念を抱いている。

米国は世界の新型コロナとの闘いにおける協力には大して力を入れていないのに、新型コロナとの闘いを利用して私利を図るためには苦心しており、過ちに過ちを重ねているといえるだろう。一部の政治屋の不作為と間違った行動のために、米国では感染状況の改善が未だ見られず、これまでに3400万人以上の感染と61万人近くの死亡が報告されている。世界最大の経済大国である米国の新型コロナとの闘いにおける失敗自体が、国際社会にとって深刻な足手まといだ。そればかりか米国は公然と「新型コロナとの闘いにおける利己主義」カードを切り、他国の新型コロナ対策物資の差し止め、医薬品の独占といった「現代の海賊」と非難される恥ずべき行為に走っている。世界の新型コロナとの闘いが正念場にある時に、米国は世界保健機関(WHO)から脱退した。これは「全人類に対する犯罪であり裏切り」だ。米新政権は発足後、「アメリカは戻ってきた」と高らかに語った。だが人々は、米国が真の多国間主義を実行しているわけではなく、ましてや団結して新型コロナと闘う世界の国々の輪に加わったのでもなく、実際には徒党を組み、小集団を作って他国を叩くことに熱中しているのであり、世界の新型コロナとの闘いを妨げる行動を取っていることに、失望と共に気づいたのである。

ワクチン・ナショナリズムを遂行し、他国の新型コロナ対策資源の占有を強行することで、米国のイメージは崩れた。ワクチンはパンデミックに打ち勝つための力強い武器であり、世界の新型コロナとの闘いに希望の光をもたらすものだ。だが米国はワクチン・ナショナリズムを遂行し、自国の需要を遥かに上回る量のワクチンを備蓄した。すでに米国は世界全体の4分の1を占め、自国の需要を遥かに上回る26億回分のワクチンを買い占めており、米国の倉庫には何億回分ものワクチンが眠っている。さらに米国は自国の使用の優先確保を口実に、ワクチンと原料の輸出を制限している。米国メディアですら、これを「モラル上の暴挙」と呼んでいる。国際社会の大きな圧力の下で、米国は世界にワクチンを提供し始めたものの、その行動は明らかに誠意を欠いている。以前米国は、6月末までに世界の他の地域に8000万回分のワクチンを提供すると約束したが、AP通信の報道では、6月30日時点で実際に国外に輸送されたワクチンは約束した量の3分の1に満たず、わずか2400万回分。その提供範囲は当初約束した約50ヶ国・地域を大きく下回る10ヶ国・地域だった。米デューク大学の研究者の推計では、7月下旬に米国では少なくとも3億回分のワクチンが余る。世界全体でワクチンが大きく不足しているのに、米国は過剰な量のワクチンを備蓄している。米紙ワシントン・ポストは「米国の最大の失敗はここにある。国内の感染拡大のみを気にかけ、他国の直面する感染拡大の脅威への反応は遅いうえ、口先だけで実行を伴わない」と論じた。

人類と新型コロナウイルスとの闘いにおいては、団結と協力こそが勝利のための唯一の選択だ。米国が絶えず政治工作をし、世界の新型コロナとの闘いを阻害するのは、狭隘で近視眼的かつ利己的な行為であり、他国に与えた被害が自らに跳ね返ってくるものだ。独断専行に走らず、より多く国際的責任を担い、国際協力に有益な事を行うよう、米国に忠告する。(編集NA)

「人民網日本語版」2021年7月21日

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