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天津での中米会談から伝わるメッセージ (2)

人民網日本語版 2021年07月29日09:44

中米関係の方向性を正しい方法で再構築

中国は天津での会談中と会談終了後、直ちに一連のメッセージを対外発信した。そのうち、「米側の『競争・協力・対抗』という3点法は中国を抑圧し、封じ込めるための『目くらまし』だ」「悪事の限りを尽くしながら、利益は独り占めしようとする。世界のどこにそんな道理があるのか」「『脅迫外交』の発明権、特許権、知的財産権はいずれも米国以外に所有者がいない」といった中国の発信内容は各界から幅広く注目された。

アナリストは、「これは、中国が米国との交渉において、米側の設けた議題に受動的に応じるのではなく、中米関係の大局と長期的発展の観点から、主導的に声を上げ、米側に方針転換を促し、交渉プロセスの舵取りをしたことの表れだ」と分析する。

蘇氏は、「これまでの中米間のインタラクションの過程においては、米国が故意に世論をミスリードするのが常だった。今回のシャーマン訪中の前にも、米側はミスリーディングな情報を発表することで、中国に圧力をかけようとした。そのため、中国側が精確で力強い声を上げることが必要であり、肝要だ」と指摘する。

会談で中国は米側に2つのリストを提示した。1つは、米国に是正を要求する誤った対中政策・言動のリスト、もう1つは中国が関心のある重点事案のリストだ。

蘇氏は、この2つのリストを米側へ提示したことも、中国側が「中米関係における『ガードレール』の設置は、平等互恵原則に従い、双方の利益の維持を指針としなければならない」と強調したことも、中米関係の方向性を正しい方法で再構築しようと中国が尽力していることの表れだと指摘する。

阮氏は、「2つのリストは米側による一連の具体的な誤った言動を列挙しており、中国側の示した協力の条件だ」とし、「今後の中米関係の改善と発展には、米国が2つのリストの具体的事項から着手し、関係改善の誠意を中国に示すことが必要だ」との考えを示した。

中米関係を正常な軌道に戻すには長期的努力が必要

今回の天津会談を中国外交部(外務省)報道官は「踏み込んだ、率直なもの」と評価し、米国務省のプレスリリースも「率直かつオープンなもの」と形容した。だが、アナリストは「米側の対中姿勢にまだ根本的変化は見られないため、両国関係の実質的緩和は当面見込めず、正常な軌道に戻すには双方の持続的努力がなお必要だ」と分析する。

「米国が対中抑圧政策を簡単に放棄することはあり得ず、封じ込めと反封じ込め、抑圧と反抑圧をめぐる両国間の対立が短期間に消失することもあり得ない」。蘇氏はこう分析したうえで、過去数ヶ月の間、米国の新政権は国内の政治的圧力、新型コロナウイルス感染の再拡大、景気低迷といった問題を抱えてきたため、中国に対するネガティブ政策が国内問題を回避するための選択肢になったと指摘する。

双方間の溝をうまく管理・コントロールし、中米関係の一層の悪化、さらには制御不能化を防ぐため、中国は今回の会談で米側に対し、「中国の特色ある社会主義の路線と制度への挑戦や中傷をしてはならず、さらにはその転覆を企ててはならない」「中国の発展プロセスの妨害、さらには断ち切ることを企ててはならない」「中国の国家主権を侵害してはならず、ましてや中国の領土的一体性を損なってはならない」という、3つの譲れぬ一線を明確にした。

中国の発展と振興は歴史的必然であり、米国は国際問題でより大きな役割を発揮するようになった中国と平和的に共存し、協力・ウィンウィンを図る方法を学ぶ必要があると、アナリストは指摘する。中米関係が立て直されるか否かは、米側が中国に対する心理と誤った言動を根本的、具体的に改めるか否かにかかっている。

中国人民大学国家発展・戦略研究院の刁大明研究員は、「中国は良好で安定した、かつ前進し続ける中米関係を期待している。これは両国民の利益にかない、国際社会の普遍的期待とも一致するからだ。その一方で、中国が米国の対中姿勢を変えるために米側の圧力に屈することは断じてない。このことを、米国ははっきりと認識すべきだ」と語る。(編集NA)

「人民網日本語版」2021年7月29日

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