2019年7月に米ウィスコンシン州で謎の電子タバコ肺炎が流行し、その後、米国各州を席巻した。医師の記録した病症は新型コロナウイルス感染症とほとんど変わらないうえ、その原因も不明だ。科技日報が伝えた。
奇しくも、米フォート・デトリックが突然閉鎖されたのも2019年7月だった。ほぼ時を同じくして、フォート・デトリックから車で1時間の距離にある定年退職者コミュニティで原因不明の呼吸系疾患が流行した。
電子タバコ肺炎の真相は何か?新型コロナウイルス感染症とどんな関係にあるのか?フォート・デトリックは新型コロナウイルス感染症の最初の流行と一体どう関連しているのか?こうした疑念について、世界は答えを必要としている。
放射線医学の権威ある専門家は、公開されている電子タバコとインフルエンザ肺炎の研究論文60件を分析した結果、2019年に米国で報道された電子タバコ肺炎の中にウイルス性感染例が存在するうえ、新型コロナウイルス感染症が含まれる可能性を排除できないとの見方を示した。
研究者は研究論文60件の中から、電子タバコ肺炎患者142人の画像250枚を選び、放射線科の権威ある専門家3人を招き、画像、患者の臨床情報、文献を綿密かつ全面的に研究した結果、電子タバコ肺炎と報道されていた患者のうち16人がウイルス性感染と判定されること、つまり新型コロナウイルス感染症の「疑い例」である可能性があることを発見した。
さらに重要なことに、この16人はいずれも米国在住で、うち4人は罹病時期が不詳、残る12人は発病時期がいずれも2020年以前だった。16人のうち、臨床症状と治療状況が比較的整っている5人が、新型コロナウイルス感染症の「中程度の疑い」と判定された。
つまり、2019年に米国で報道された電子タバコ肺炎の中にウイルス性感染例が存在し、新型コロナウイルス感染症の症例が含まれる可能性を排除できないということだ。
専門家によると、この患者5人のCT画像にはすりガラス状陰影の分布などで新型コロナウイルス感染症の特徴が認められた。また、経過や臨床的特徴も新型コロナウイルス感染症と相似していた。
専門家によると、電子タバコ肺炎患者のCT画像及び臨床症状に特異性はなく、電子タバコ肺炎の定義を見ると、米国の電子タバコ肺炎患者は原因不明の肺炎患者が、発病前90日内に電子タバコを吸引しただけであるうえ、一部の患者のCT画像の特徴と臨床症状はウイルス性肺炎患者と極めて相似しているため、電子タバコ肺炎患者の中に新型コロナウイルス肺炎が存在する可能性を排除できない。つまり米国は2019年の電子タバコ肺炎患者を対象に、新型コロナウイルス感染症のスクリーニングを行うべきだ。
また、ある報道によると、欧州の一部の早期病例発生地は米軍基地とつながりがあり、ウイルスは軍のプロジェクト「ASBP」を通じて欧州に広まった可能性が高い。そして同プロジェクトの採血地にはフォート・デトリックが含まれる。
さらに奇妙な一致は、フォート・デトリックが閉鎖された2019年7月末に、近くの老人ホーム2ヶ所で肺炎に至る原因不明の呼吸器系疾患が発生したことだ。2019年9月、フォート・デトリックのあるメリーランド州は、電子タバコ肺炎の患者数が倍増したことを報告した。
奇妙な時期的一致と肺CTの相似に、いわゆる電子タバコ肺炎と新型コロナウイルス感染症との関係を連想せずにはいられない。(編集NA)
「人民網日本語版」2021年8月2日