無限の可能性を持つ「一帯一路」イニシアティブ
「中国という巨大な経済大国と欧州、さらにアフリカを結んで、いわゆるユーラシアを中心に、世界中と結んで貿易と経済を活性化させ、途上国の発展も行っていく」。鳩山氏はこのように述べ、さらに、「途上国の貧困の克服や、あるいは経済連携を通じた繁栄の拡大、それらを通じて世界を安定させていくことなど、『一帯一路』は非常に無限の可能性を持っているのではないか」との見方を示した。
商務部(省)のデータによると、2021年1月の時点で、中国はすでに171の国・国際機関と205件の「一帯一路」共同建設に関する協力文書に調印している。また、2020年、中国と「一帯一路」沿線国との物品貿易額は前年同期比0.7%増の1兆3500億ドル(1ドルは約109.8円)に達し、国際定期貨物列車「中欧班列」の運行本数は同50%増の1万2000本以上となった。
程氏は、「昨年、新型コロナウイルスが世界の経済と社会に対して非常に大きなマイナスをもたらした。しかし、一帯一路をめぐる協力は、ユーラシア大陸やアフリカ、あるいはラテンアメリカ、南アメリカにまで、その産業チェーンとサプライチェーンを維持し、保障するために大きな役割を果たした。これがまさに皆のために利益、福祉をもたらすものだということを皆がますます認識するようになり、一帯一路は将来に向けてもますます明るい未来を見せていると思う」と述べた。
日本での「一帯一路」の受け止められ方について程氏は、「日本の一帯一路に対する認識、また取り組みについて言えば、時間的に一つの経過があると思う。また、分野別に認識が少しずつ違うところもある。時間的に言えば、最初は一帯一路とは何かという疑念や警戒も多少あったと、東京にいた私は感じた。しかし、実際に参加する国も徐々に増えて、皆のために利益になったと日本の方々も思うようになり、興味を感じて私の話も聞いてくれて、その一部の企業がむしろ実質的に参加するようになった。例えば、中国と日本が第三者市場協力について互いに合意した。それはもちろん、一帯一路という大きな枠組みのもとで互いに協力し、中国と日本が互いに競争をするのではなく、協力して第三国で一緒に協力し、進めていこうという話だ。また、北京で実際に行われた2回にわたる一帯一路の国際ハイレベルフォーラム、いわゆるサミットに対しては、日本はいずれもかなりレベルの高い、また人数の多い大型代表団を派遣して参加した」と述べた。
地域経済協力の潮流は止められない
現在、新型コロナウイルス感染が世界中で拡大し、世界経済は深刻な打撃を被り、一国主義や保護主義が台頭している。これについて鳩山氏は、「一国主義とか、あるいは保護主義、デカップリングが懸念されているが、地域経済協力は世界史とアジア史の大きな流れであって、これに対して誰も抗うことができないと私は思っている」と述べた。その重要な実例として、2020年11月、中日を含むアジア太平洋15ヶ国が共同で調印した「地域的な包括的経済連携(RCEP)協定」が挙げられる。この協定は世界の半数近くの人口と3分の1近くの貿易量をカバーしている。これを受けて、同年、中日間の輸出入貿易額も着実に増加した。
程氏は、「例えば、昨年来の新型コロナウイルスの影響はあったが、中国と日本の間の貿易額はむしろ増えた。また、在中の日本企業のほぼ3分の2、6割以上が利益を上げた。そのため、在中の日本企業、中国に投資している日本企業の絶対多数が中国市場で経営や生産活動を継続、あるいは拡大するという意向を示している」と述べた。
鳩山氏は、「日中の経済関係が今後も連携を深めることに疑いを抱いていない。日本にも、中国にも、それぞれ得意分野があり、そうでない分野がある。特に日本はいわゆる資本財が得意だと言われ、中国は消費財が得意だと言われている。そして中国には巨大な市場という大変大きな利点がある。こうした互いの利点というものを生かして、そうでない部分を補い合い、互いに補完し合いながら経済を発展させていくことができれば、日本においても、また中国においても、ウィンウィンの関係を築くことが可能ではないか」との考えを示した。
中国共産党の100年の歩みは世界的にもっと評価されるべき
鳩山氏は、「過去一世紀を振り返ると、日本による不幸な侵略があった。そういったものをはじめ、中国は極めて大きな困難に直面したが、その度に、中国の共産党が人民とともに困難を克服してきた。そのことに対して最大限の敬意を表する」と述べた。そのうえで、「中国共産党は結党以来、巨大な人口、国土、そして民族的多様性を抱えた国家を一つにまとめ上げ、そのことによって人民の生活を向上させてきた。そのことは大変大きな立派な歴史的な事実であって、世界的にもっと評価をされるべきことではないか」との考えを示した。(編集NA)
「人民網日本語版」2021年8月19日