外交部(外務省)の趙立堅報道官は18日の定例記者会見で、「新型コロナウイルスの起源解明を利用して政治工作を行う米国の悪意ある企みは明々白々だ。中国は科学的な起源解明を一貫して支持しており、引き続きそれに参加していく。政治的な起源解明には断固として反対する」と表明した。
【記者】報道によると、米情報機関による新型コロナウイルスの起源解明調査にはいまだ具体的進展がないが、米国は予定通りに報告書を公表する考えであり、しかも報告書の中で、ウイルスを武漢ウイルス研究所由来とする誘導的結論を仕立て上げる考えだ。米政府上層部は、調査は目的ではなく、調査を進めること自体に意義があり、「起源解明調査」の宣伝を続けるのは、中国の外交資源を消耗させ、米国の対中交渉カードを増やすためだとしている。また米国は、世界保健機関(WHO)とテドロス事務局長に対し、早急に対中「第2段階起源解明調査」に着手するよう圧力をかけるとともに、必要時には同盟国と共にWHOの枠組外で「第三者による独立調査」を進める考えだ。これについて中国としてコメントは。
【趙報道官】報道が事実であるなら、それは米国が意図的に対中「推定有罪」を行っていることを自供したことになる。米国が気にかけているのは事実や真相ではなく、いかに中国を消耗させ、中国のイメージを悪くするかだ。政治工作を行う米国の悪意ある企みは明々白々ではないか。
米国が、他国に濡れ衣を着せて罪に陥れる古い手口を繰り返しても、世界の人々を騙しおおせることはできず、かえって「米国が腐心し、手段を選ばずに中国のイメージを悪くしようとするのは、フォート・デトリックなど米国の生物学研究所をめぐる様々な疑問点に対する国際社会の関心をそらすためではないか?米国は一体何を隠蔽しているのか?」との国際社会の疑念を募らせるだけだ。
中国は一貫して科学的な起源解明を支持しており、引き続きそれに参加していく。すでに2度にわたり調査協力のためWHOを中国に招き、科学的で権威ある結論を得て、次の段階の世界的な起源解明の基礎を固めた。我々が断固反対しているのは、政治的な起源解明だ。
米国がいかに腐心して中国のイメージを悪くし、中国に罪を着せようとしても、世界中に存在する米国の生物学研究所に対する国際社会の疑念を払拭することはできない。もし心にやましいところがないのなら、米国は堂々とWHOを自国での起源解明調査、特にフォート・デトリックとノースカロライナ大学での調査に招待すべきだ。それこそが世界的な起源解明を真に重視する国として示すべき誠意であり、取るべき姿勢だ。(編集NA)
「人民網日本語版」2021年8月19日