雲南普洱太陽河国家森林公園の小さなレッサーパンダが最近、注目を集めている。そのしぐさはとてもかわいらしく、ぼっちゃりとしていてあどけない顔に、好奇心に満ちたまん丸の目をしている。中国日報が報じた。
このレッサーパンダは生後約4ヶ月で、まだ哺乳期。母親に連れられて木に登ったり、日向ぼっこしたりしている。一方、父親はほとんど近づかない。太陽河公園が野外で自然繁殖したレッサーパンダの飼育に成功したのはこれが初めてだ。
木登りの練習をするレッサーパンダ(撮影・劉倩)。
今年6月13日、同公園の動物観察員・張鳳芝さんがいつも通り森林のパトロールをしている時に、遠く離れた場所で動く白いものを見つけ、近づいて見ると、それはまだ目も開けていないレッサーパンダの赤ちゃんだった。
張さんは毎日、母親のレッサーパンダに近づき、竹の葉やリンゴなどを1日に3回与えて少しずつ馴らすと、1週間ほどで、警戒心を解き始めたという。その後、赤ちゃんを人工的に作った育児用の施設に移した。赤ちゃんのレッサーパンダは今でも怖がって人に近づかないため、その性別を確認することはまだできていないという。
木の上で昼寝するレッサーパンダ(撮影・劉倩)。
公園内には別のメスのレッサーパンダ「多多」がいる。「多多」も数年前に赤ちゃんを産んだが、夭折してしまった。しかしその母性本能からか、この赤ちゃんレッサーパンダのことをずっと気にしているのだという。張さんによると、「多多」は1日中何も食べたり飲んだりしないことも多く、木に登って機会を待ち、母親が赤ちゃんから離れたすきに赤ちゃんを奪おうとしている。そのため、「多多」と母親のレッサーパンダが赤ちゃんをめぐってすでに何度も争いになっているだけでなく、実際に奪うことに成功し、張さんが救出したこともあるという。
母親のレッサーパンダと一緒に行動する赤ちゃん(撮影・劉倩)。
公園の責任者によると、メスのレッサーパンダによる赤ちゃんをめぐる激しい争いは、弱い赤ちゃんを傷つけてしまう可能性があるほか、最悪の場合、噛まれて死んでしまうこともある。また、実の母親から奪い取られた場合、もう一方のレッサーパンダは母乳が出ないため、赤ちゃんが餓死することすらあるという。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年11月4日