中古書店「多抓魚」の実店舗が閉店 中古品でもオシャレでおもしろい

人民網日本語版 2021年11月16日08:25

中古書籍取引プラットフォーム「多抓魚」の実店舗1号店だった北京大望路店が今月14日に閉店した。閉店のニュースを見た約8000人が閉店前にわざわざ来店し、本をまとめ買いして、店に別れを告げた。多抓魚によると、来年の春節(旧正月、来年は2月1日)後にファッションの街・三里屯で新店がオープンする計画という。

多抓魚の実店舗は大望路の映画産業パーク内のひっそりとした場所にあった。それでも、平日の午後になると多くの客で賑わっていた。閉店前の店では、かわいいネコの看板やアットホームな雰囲気を漂わせる木製の床、懐かしい気分にさせくれるグッズなどがいつも通り客を迎え、入り口の目立つ位置に「しばらくお別れです」というお知らせだけが、もうすぐ閉店することを告げていた。

客の王さんは、「人的・文化的歴史に関する本を何冊か買った。中古は割引があるのでやはりお得。以前にも何度か来たことがあるが、毎回本を買って帰った」と話した。

多抓魚をずっと利用しているという呉さんは、「多抓魚の実店舗は、おもしろくて魅力がある。中古本の店に来ると精神的な必要を満たすことができるほか、オンラインでは見つからないおもしろい本に時々出会うこともできる」と話す。

2年前、オンライン中古書籍取引プラットフォームとして立ち上げられた多抓魚は、起業初期に在庫を保管していた大望路にある倉庫を実店舗の1号店としてオープンさせた。ただ、交通アクセスが不便で、人通りも少ないため、一部の熱心なユーザーや口コミだけを頼りに営業を続けていた。しかし多抓魚の店舗開拓責任者・思凡さんは、「大望路の店に実際に来て本を購入する客の割合は非常に高い。中古本の人気は明らか」と説明する。

多抓魚の閉店のお知らせには、「大望路店の精神は、ここにある木製の本棚と一緒に、三里屯に運ばれ、そこで復活します」と書かれている。新店の面積は約1000平方メートルで、中古本、古着、定期市、コーヒーショップの4コーナーが設置される計画だ。

多抓魚が三里屯へ移ると、元々の雰囲気が、三里屯に漂う色濃い商業的な雰囲気にのみ込まれてしまうのではと心配する声も上がっており、「みんなが必ず足を運ぶような人気スポットにはなってほしくない。静かな雰囲気の中でゆっくりと本を探したい」との声も寄せられている。

多抓魚の図書運営責任者・隗璐さんは、「利益だけを考えるなら、オンラインのほうが確実に効率がいい。実店舗の意義は、ユーザーに実際に会うことができ、多くの人に多抓魚のリサイクルのコンセプトを知ってもらい、中古本も古着もきれいで、オシャレで、楽しめるということを実感してもらうことができるということ」と話す。(編集KN)

「人民網日本語版」2021年11月16日

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