恐竜時代のつぼみはどのような形をしていたのだろうか。中国科学院南京地質古生物研究所への取材によると、中国の古生物学者が新たに発見した植物のつぼみの化石が、その謎を解いた。このつぼみは約1億6000万年前のジュラ紀のもので、科学者から「ジュラ花蕾」と名付けられた。新華網が伝えた。
ジュラ紀の生態復元図。画像提供は中国科学院南京地質古生物研究所
内蒙古(内モンゴル)自治区寧城県の道虎溝化石群から見つかったこの化石は、植物の枝及び枝につくつぼみと果実を完全に留めている。形態を見ると、つぼみの長さは4ミリメートル未満と小指の爪よりも小さく、数枚の花被片が花心を包んでいる。隣の果実はより大きく、形態的にも異なる。これは発育中に多くの変化が生じたことを物語っている。
ジュラ花蕾の画像、矢印が示しているのは岩石に埋まっているつぼみ。画像提供は中国科学院南京地質古生物研究所
この研究を担当した中国科学院南京地質古生物研究所の王鑫研究員は、「ジュラ花蕾は現在知られているうち最古のつぼみの化石だ。興味深いことに、化石にはつぼみと果実しか残っていないが、つぼみと果実があるということは、この植物が開花のプロセスも経ていたことを物語っている。ということは、約1億6000万年前に、小さなジュラ花蕾が恐竜の足元でその花びらを開かせていたかもしれない」と述べた。
左は果柄とつながる果実。右は処理によってはっきりと確認できる状態になったジュラ花蕾。画像提供は中国科学院南京地質古生物研究所
関連成果はこのほど、「GSL Special Publications」に掲載された。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年2月17日