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中国の科学研究者、オオムギ葉緑体PSIを初解析

人民網日本語版 2021年12月10日14:50

中国の科学研究者は低温電子顕微鏡法により初めてオオムギ葉緑体PSI-NDH膜タンパク質超分子複合体の高分解能空間構造を解析した。この成果は被子植物の進化過程における陸上光環境への適応を理解する上で重要な意義を持ち、応用の将来性が高い。新華社が伝えた。

同研究は中国科学院植物研究所光合成膜タンパク質構造生物学研究チームと浙江大学の張興氏の研究チームが共同実施したものだ。関連成果は9日、国際的な学術誌「ネイチャー」にオンライン掲載された。

中国科学院植物研究所の韓広業研究員によると、光合成は植物が太陽エネルギーを利用し二酸化炭素と水から有機化合物を合成し酸素を放出する過程のことで、ほぼすべての生命の生存と発展の基礎となっている。葉緑体は太陽エネルギーを化学エネルギーに変換する重要な部分だ。PSI-NDH膜タンパク質超分子複合体の空間構造の解析は、光合成における光合成環状電子の伝達・調整メカニズムを理解する上で重要な意義を持つ。

解析結果によると、この複合体には55のサブユニット、298の葉緑体分子、67のカロチノイド分子、25の脂質分子が含まれ、分子の総質量は約1.6メガダルトン。これは現在まで解析されている高等植物葉緑体のうち最大の光合成膜タンパク質複合体構造だ。

この研究は、PSIにおける特殊なアンテナサブユニットと、高等植物の葉緑体に含まれる10の固有NDHサブユニットの正確な位置と構造の特徴を明らかにしたと同時にサブユニット間の相互作用及び複合体の組立の原理を解明した。

中国科学院院士で、中国科学院植物研究所研究員の匡廷雲氏によると、この研究成果は高生産量・高抵抗性の高品質緑餌及び作物の設計に向けた新たな技術ロードマップを提供した。同時に合成生物学技術により新型高効率光合成膜電子伝達経路を構築し、光合成膜エネルギー伝達ルートを最適化し、高光効果・高炭素固定の光合成部品とモジュールを構築するための新たなアプローチを提供した。(編集YF)

「人民網日本語版」2021年12月10日

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