北京外国語大学が主催した世界地域研究コンソーシアム(Consortium for Country and Area Studies, CCAS)の2022年年次学術シンポジウムが12月18日、ウェブ会議の形で開催された。今回のシンポジウムは「包摂、共有と世界の持続可能な発展」をテーマとして実施された。
世界地域研究コンソーシアム(CCAS)は世界外国語大学連盟(GAFSU)が提案し、各国の学者からなる国際学者・学術ネットワークで、参加者の国籍と言語は180ヶ国、100言語以上に及ぶ。コンソーシアムは「国際的な理解を促進し、ともに美しい未来を創る」(Better Understanding, Better World)という理念の下で、各国・各地域の地域研究の学者の知識と知恵を結集し、地域研究の知識体系の発展を促進し、グローバル・ガバナンス・システムの改革と世界的な問題の研究を深めてきた。
今回のシンポジウムには、北京外国語大学校務委員会副主任兼学長兼北京外国語大学地域とグローバル・ガバナンス高等研究院院長の楊丹氏、上海外国語大学校務委員会主任兼上海グローバル・ガバナンスと地域研究院理事長の姜鋒氏、中国翻訳協会会長の杜占元氏、北京大学公務委員会副主任兼副学長の寧琦氏、北京外国語大学校務委員会副主任兼副学長の賈文鍵氏、北京外国語大学校務委員会常務委員兼副学長の趙剛氏、清華大学国際・地域研究院常務副院長の姜景奎氏、中国人民大学国際関係学院副院長の翟東昇氏、中国国際発展知識センター副主任の蒋希蘅氏が出席した。
また海外からは、コスタリカ経済産業商業省元副大臣でコスタリカ遠隔州立大学(UNED)のヴェリア・ゴヴァエレ(Velia Govaere)教授、元モロッコ議会議員でモロッコ‐中国友好交流協会のムハンマド・ハリリ(Muhammad Khalili)主席、カンボジア-中国関係発展学会のチェア・ムニリス(Chea Munyrith)会長、元サウジアラビア在中国大使館文化参事官でサウジアラビアイマーム・ムハンマド・イブン・サウード・イスラーム大学のサラー・アルサグリ(Saleh Alsagri)教授、ユネスコマリ事務所のエドモンド・ムカラ(Edmond Moukala)主任、ヨルダンの著名な国際問題研究者で、ヨルダン・アンマン市文化局元局長、中華図書特別貢献賞受賞者のサメル・カイア・アフマド氏(Samer Khair Ahmad)、ギニアビサウナショナルラジオのシニアジャーナリストで新華社ギニアビサウ共和国特派員のバカル・カマラ(Bacar Camará)氏、元ベラルーシ駐中国特命全権大使でベラルーシ国立経済大学のキリル・ルディ(Kiryl Rudy)教授、ラオス国立大学孔子学院の李建民院長ら専門家・学者が出席した。
開会式は賈文鍵副学長が司会を務め、楊丹学長、ムハンマド・ハリリ主席、杜占元会長がそれぞれ開会の挨拶を述べた。各氏は挨拶で、「平和と発展、安全が今の世界各国にとって共通の目標であり、これらは経済と社会の問題であると同時に、政治と文化の問題でもあり、歴史的な次元と現在の次元が交差しているだけでなく、国家や地域、グローバルレベルで相互に関わっている。したがって、『包摂、共有と世界範囲の持続可能な発展』をめぐって話し合うことには理論的意義と実践的意義があり、相互理解の促進と相互尊重の実現につながる。国際的協力の実現が恒久平和と持続可能な発展の前提となる」といった指摘を行った。
午前と午後の基調講演と討論セクションでは、寧琦副学長と趙剛副学長が司会を務めた。
楊丹学長は基調講演「中国式現代化の世界的意義」の中で、中国は古くから世界文明に重要な貢献を果たしてきたと述べ、中国式現代化は世界各国の現代化に共通する特徴を備えているとともに、中国ならではの特徴も持っていると指摘した。そして中国式現代化の五つの特徴として、(1)膨大な人口を現代化へと導く現代化、(2)共同富裕(共に豊かになる)、小康社会(ややゆとりのある社会)の全面的完成を実現する現代化、(3)物質文明と精神文明が協調した現代化、(4)人と自然が調和し共存する現代化、(5)平和的発展と協力・ウィンウィンを提唱する現代化を挙げた。さらに、中国式現代化には世界的な意義があり、世界の現代化の版図を塗り替え、人類文明の新しい形態として、世界の発展のために絶えず原動力をもたらすとともに、発展途上国の現代化に新しい選択肢を提供したと述べた。
姜鋒氏は基調講演「世界の持続的な平和と発展に必要な人類文明の新しい形態」の中で、世界的・時代的・歴史的な大変動が加速する中、共同安全保障と共同発展は新しい時代の課題になると指摘。「民族や国家を超えて、全人類の共通した価値と人類運命共同体の立場から、共通性と独自性という対立物が統一された人類文明の新しい形態を作ることこそ、共同安全保障と共同発展の実現への道だ。人類文明の多様性を尊重し、文明間のコミュニケーションを提唱することで、共同繁栄を実現し、真の共同体をともに作り上げていくべきだ」と述べた。