中国のネット上で「かっこ文学」が流行 重要なのはかっこの中

人民網日本語版 2022年09月28日15:08

中国のネット上では「〇〇文学」と呼ばれるさまざまな表現スタイルが続々と誕生しているが、最近流行しているのが「かっこ文学」だ。「かっこ文学」というのは、かっこの中の言葉に重点を置いたチャットスキルで、ネットユーザーたちが編み出した。例えば、「スタイルはいたって普通(腹筋はまあエイトパックってとこかな)」、「(今まさに)眠れないんだけど、誰かチャットしてくれないかなぁ(話が合わない人以外なら誰でもOK)」といった具合だ。「かっこ文学」を使いこなすネットユーザーは、それをコミュニケーションツールとして使い、ぎくしゃくした空気を和らげたり、不必要な問題を回避したりするために使っている。ただ、「このような注釈を加えた『独り言式』の表現スタイルを使うと、やきもきして気持ちが落ち着かない」とするネットユーザーもいる。揚子晩報が報じた。

重要なのはかっこの中

ネットユーザーは、「かっこ文学」を「かっこの中の内容こそが重要な文学」と定義している。最初は、自慢したい内容を本文の後ろのかっこの中に書く表現スタイルの「ヴェルサイユかっこ文学」が流行した。一見、何でもないチャットに思えるものの、実際にはその自慢しているかっこの中の部分こそが一番重要な内容なのだ。例えば、「成績はまあまあだった(TOP5の大学卒業)」や「英語はまあまあ(試験勉強なしで英語検定IELTSが8.5点)」、「スタイルはいたって普通(腹筋はまあエイトパックってとこかな)」といった具合だ。

もちろん、かっこの中の内容は自慢だけでなく、客観的な事実や今感じていることなどを書いてもいい。つまりは、何でもかっこの中に書くことができるということだ。例えば、コーディネートブロガーは、顔の形が悪く、首も短い場合、どんなネックレスを選ぶと良いかという質問について答える際、「かっこ文学」を使い、「ネックレスの長さに気を配って(血と涙の経験から得た教訓)」とアドバイスし、かっこを使って自分にも同じように見栄えの悪い部分があるということを暗示し、相手との心の距離を縮めることができる。

人と人の交流の過程で、いざこざが起きてしまうことも多い。そういった時にかっこ文学を使うと、ぎくしゃくした空気を和らげることができる。それぞれが適切な方法で自分の考えを述べて、関係を修復することができるのが「かっこ文学」と総括している人もいる。

微信(WeChat)やQQでチャットをしている時に、絵文字を使って今の気持ちを表現するというネットユーザーも多い。かっこ文学は、言葉を付け加えることによって、動きが感じられる内容にしたり、自分の気持ちを表現したり、イメージしやすいようにできるほか、相手に自分に対するいいイメージを抱かせ、長所も強調できる。

「かっこ文学」が流行しているのはなぜなのだろうか?中国国家二級心理カウンセラーの韓寧氏は、「普段、率直な話し方をする人は、他の人から『ストレートな人』と見られがちだ。『ストレートな人』というと、思ったことをざっくばらんに言い、思いやりに欠けるというイメージであることが多い。そのため、多くの人が『オブラートに包んだ表現』をマスターしている。『オブラートに包む』主な目的は、含みのある話し方をしながらも、自分の考えていることを表現することだ。ただ、面と向かって交流する時は、言葉のほかに、口ぶりや声のトーン、身振りなどが補助的役割を果たすのに対して、オンライン上で交流する時は、文字しか残らない。そのため、言葉の補助として、ネットユーザーらは、絵文字やかっこを使って、言葉の奥に含まれた意味を相手に伝えようとしている」と説明する。

韓寧氏はその一方で、「かっこを使って本当の気持ちを伝えることに不安を感じたり、悔やんだりするような場合は、自分の心のケアもしなければならない。このタイプの人は誰にも好かれたい性格で、いろんな余地を残す付き合い方をしようとする。その一方で、その件についてはストレートに表現すべきだとも感じている。自分の性格のせいで正確に表現できていないと感じ、やきもきした落ち着かない気持ちになってしまうのだ」と分析する。

では、どのようにすれば不安に感じずに済むのだろうか?実際には、それほど難しいことではない。韓氏は、「気持ちが高ぶっている時にチャットを送る場合、文字を入力した後、すぐに送信せずに、少し待ち、気持ちを落ち着かせるとよい。そして、その内容は自分の本意かよく考え、適切でないと思う場合は、訂正を加えてから送信するとよいだろう」とアドバイスする。(編集KN)

「人民網日本語版」2022年9月28日

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