フィリピンのマルコス大統領が中国側の招待に応じて、1月3日から3日間の予定で国賓として中国を訪問する。専門家は今回の年頭の訪中について四つの注目点を挙げ、中国とフィリピンが良き隣人、良き親戚、良きパートナーという「3つの良き関係」をしっかりと築き、中比関係の新たな「黄金時代」を切り開く後押しとなると指摘する。中国新聞社が伝えた。
■注目点1:中比関係の加速
一衣帯水の隣国である中比関係の行方を外部は非常に注視している。中国社会科学院アジア太平洋・グローバル戦略研究院の許利平研究員は「マルコス政権はドゥテルテ前大統領の『対中友好』政策を引き継ぐ可能性が高い。新年初の訪問国に中国を選んだことから、フィリピンが対中関係を重視していることが見て取れる。今回の訪中は中比関係の新たな『黄金時代』を切り開くものと見込まれる」との見方を示した。
■注目点2:両国の実務協力の新たな成果
近年、中比関係は飛躍的発展を遂げ、再び両国協力の発展に力強い弾みをつけている。すでに中国はフィリピンにとって最大の貿易相手国、最大の輸入相手国、第2の輸出相手国となっている。マルコス大統領は初の施政方針演説で、「Build Build Build」プログラムの継続と高度化を表明した。今回の訪問で中比双方がいかにして実務協力を深め、新たな成果を生むかに外部は注目している。曁南大学国際関係学院の代帆副院長は、「今後中比協力は農業、インフラ整備、エネルギー、人的・文化的分野の『四輪駆動』となることが見込まれる。中国はインフラ整備分野で独自の優位性をもっている。双方は戦略的連携を一層強化し、さらに多くの民生事業の実行を推進するべきだ」との見方を示す。
■注目点3:人的・文化的交流による中比友好の後押し
人的・文化的交流は中比関係の重要な紐帯だ。そしてマルコス大統領も中比関係発展の歩みに自ら関与してきた。1974年、当時17歳のマルコス氏はフィリピンのファーストレディである母イメルダ夫人と共に訪中し、両国交流の美しいエピソードを残し、現代中比関係を切り開く「氷を砕く旅」となった。許研究員は「マルコス大統領は中比関係の目撃者であるとともに推進者であり、歴史から多くの有益な経験を参考として汲み取り、中比関係をさらに高い水準へと押し上げるだろう」と指摘する。
■注目点4:海洋問題の適切な処理、海上協力のパイの拡大
海洋問題は中比関係の焦点となる議題だ。マルコス大統領は就任後、海洋問題によって比中関係全体が定義されることがあってはならず、双方は意思疎通をさらに強化することができると主張した。これについて、代副院長は「地政学的問題の扱いにおいて、マルコス大統領は実務的で慎重な姿勢を表明した。海洋問題は中比関係の全てではなく、両国は係争を棚上げにし、溝をうまく管理・コントロールし、引き続き共同開発を推進し、互恵・ウィンウィンを拡大し続けるべきだ」と指摘する。許研究員は「海洋問題をめぐる溝について、中比双方が既存の共通認識を堅持し、協力のパイを大きくしさえすれば、両国の友好的協力という大きな船の針路が変わることはなく、前進の道は一層広がり、安定的かつ長期的に進んでいけるはずだ」と指摘する。(編集NA)
「人民網日本語版」2023年1月4日