日本メディアによると、日本の井筒俊司航空幕僚長は先ごろ、宇宙分野でフィリピンと防衛協力を実施することを発表した。日本が近年、武器・装備品、防衛技術のフィリピンへの輸出を徐々に拡大し、両国の防衛協力関係が次第に深まっていることに注目が集まっている。(文:文威入。中国軍網掲載)
■複数の戦略的意図
近年、日本がフィリピンとの防衛協力関係を強化し続けているのには、複数の戦略的意図がある。
第1に、武器・装備品や防衛技術の輸出市場を拡大する。日本は武器・装備品輸出や防衛技術「移転」の規制を突破した後、潜在的市場であるフィリピンに狙いを定め、偵察、早期警戒、対潜、防空分野の武器・装備品の輸出を図って来た。今回、宇宙分野にまで協力を拡大するのも、宇宙技術・サービスの輸出に着眼したものだ。
第2に、東南アジアに深く浸透し、地域における影響力を強化する。ASEAN諸国は長い間、日本外交の重点であり続けている。日本には、フィリピンとの防衛協力の強化を通じて、東南アジアにおける軍事的プレゼンスを強化する意図がある。
第3に、「アジア太平洋版NATO」形成のために他国を抱き込む。 米国の「インド太平洋戦略」実行のパートナーとして、日本はアジア太平洋地域を異なる陣営に分断し続けている。日比「2+2」会合前、日本政府筋は、その地理的位置からフィリピンを「安全保障上の戦略拠点」と見ているとした。日本の対比関係強化には、将来の新たな安全保障体制構築のためのメンバー引き入れの意図がある。
フィリピンとしては、大国間でバランスを取ることは基本国策だ。日本との防衛協力を強化することで、より多面的な協力を推進し、軍事・経済的支援を獲得し、宇宙技術の基礎能力をインキュベートすることができる。
アナリストは、「宇宙防衛協力を含む今回の日比軍事関係の強化には、各々が必要とするものを獲得する意図があり、具体的な協力効果については、さらなる観察が待たれる」と指摘している。(編集NA)
「人民網日本語版」2022年7月4日