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国家データ局新設 中国はいかにしてデータという「新たな金」を輝かせるか

人民網日本語版 2023年03月10日15:59

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デジタル経済の時代において、データは多くの人々に「新たな金」と見なされている。10日に開かれた第14期全国人民代表大会(全人代)第1回会議の第3回全体会議で承認された国務院機構改革案の決定草案によると、中国は国家データ局を新設する。この新たな機構はいかにしてデータという「新たな金」を輝かせるのだろうか。中国新聞社が伝えた。

同案によると、国家データ局はデータの基礎制度構築の協調的推進を担い、デジタル中国、デジタル経済、デジタル社会の計画と構築などを統合的に推進し、国家インターネット情報弁公室と国家発展改革委員会が担ってきた関連業務が国家データ局に組み入れられる。これは、これまで各当局に分散されていたデータリソースの共有・開発・利用に関する職責が合理的に統合されることを意味する。

中国人民大学重陽金融研究院の劉錦涛副研究員はこれについて、「デジタル経済は将来の経済発展の重要な方向性であり、データはデジタル経済の基礎であり、核心的な要素だ。国家データ局の新設により、中国のデジタル経済の発展に安定した健全な環境的基礎を提供し続けることができる」とする。

劉副研究員は「統合」という新機構の特徴に注目。「データリソースの統合的な整理・共有は、業界や当局を跨ぐデータリソースの相互連結推進に寄与し、各業界の経済デジタル化協同発展と業際応用を促進することで、コミュニケーションコストと情報コストを下げることになる。また、産業経済ビッグデータ戦略の統合的な実施、国の重要データリソースの協調的な開発・利用・共有にプラスになり、業界の規範化と標準化を推進し、データリソースの安全性と制御可能性を確保する」とする。

データ要素に滞りがあり、「孤島」が林立することが、目下デジタル経済の発展における問題の1つとなっている。今年の全国両会(全国人民代表大会・中国人民政治協商会議全国委員会)では、この問題についてすでに複数の提言が行われている。

例えば、中国国民党革命委員会中央委員会の提案は「中国のデータ要素市場は現在育成期にあり、データ取引は『使用権の確認、価格の設定、供給、コンプライアンス、応用、監督・管理』などの面で困難を抱えている」として、データ取引・トラフィックのガバナンスシステム、協同監督・管理制度の構築を提言した。中国民主建国会中央委員会もその提案で、全国統一の公共データ公開プラットフォームを構築すると同時に、市場ニーズと結びつけて、よりカスタマイズされ、市場化されたデータ開放を実現することを呼びかけた。

全国政協委員を務める山西データトラフィック生態園の賀晗会長は「『デジタルデバイド』という難題の解決においては、政府の組織・誘導という役割が必要不可欠だ。国家データ局の新設によって、全国のデータリソースの滞りのない大循環を実現することは、『デジタル孤島』問題の解決において重要な役割を果たす」とする。(編集NA)

「人民網日本語版」2023年3月10日

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