ここ数年、週末旅行や近場旅行などの「プチ旅行」が旅行消費市場の新たな成長源になっている。2023年になると、若者は社交ニーズの高まりにともなって、空間や距離の「遠いところ」にこだわらなくなり、自分の住んでいる都市及び周辺で新たな楽しみ方を見つけ出し深みのある体験をするというスタイルを選ぶようになった。「北京青年報」が伝えた。
「プチ旅行」は旅行市場の次の注目分野とされている。北京市民は形式にこだわらず、興味関心の幅が広い。上海市民はカフェやバーが好きで、洗練されたセレブ的な楽しみ方をする。広州市民は普段暮らしている省内の旅行を好み、深セン市民には家族でのドライブ旅行が人気だ。
いわゆる「プチ旅行」とは都市を中心に周辺に広がる、近距離で短時間の旅行・レジャーのスタイルのことだ。
現在、旅行業界では次のような見方が一般的だ。「プチ旅行」は一線都市、二線都市とその周辺が中心で、車で2-3時間、1-2泊の日程で、頻度と満足感が高い新しい旅行モデルだ。具体的には次の3タイプに分けられる。(1)レジャー活動:カラオケ、ミュージカルやコメディの鑑賞、カフェ、バー、コンサート、ピクニック、キャンプなどが含まれる。(2)スポーツ活動:ゴルフ、登山、遠足、ハイキング、釣りなどが含まれる。(3)旅行活動:省内旅行、テーマパークなどが含まれる。
2023年に「プチ旅行」がもたらす新たな変化は?
1つ目のトレンドは、「子どものいる家庭」がより速く「プチ旅行」組の仲間入りをする可能性が高いことだ。「近場へ子どもを連れて遊びに行く」が今年の大きなトレンドで、「子どもと一緒に、思い立ったらすぐに出かける」流れもさらに顕在化している。
データを見ると、家族旅行をする人のうち、近場旅行を選ぶ人が29%、地元旅行を選ぶ人が26%で、合わせて55%を超えた。全体として、「期間が短い、出かける時のプライベート性やセキュリティレベルに対する要求が高い」という特徴がある。
2つ目のトレンドは、グルメや夜市、ストリートと文化観光が融合した総合的「プチ旅行」業態が、国内の都市居住者の間で最も人気が出る可能性があることだ。データをみると、16年以降、中国ではナイトタイムエコノミーの規模が急速に拡大し、20年末時点で30兆元(1元は約19.6円)を突破し、前年比5.0%増加した。22年は40兆元を突破する見込みだ。
3つ目のトレンドはキャンプ場・キャンプ市場が徐々に成長していることだ。22年にキャンプ経済全体の市場規模の成長率がピークに達した。新型コロナウイルス感染症の影響が徐々に緩和され市場が段階的に回復するのにともなって、キャンプ市場全体の成長率が鈍化し、市場は低下傾向にあるが、全体としてなお高い成長ペースを保った。23年の中国キャンプ市場全体の規模は同46.3%増の1781億4千万元に達する見込みだ。
北京のシングル層はテーマパークとピクニックが一番好き
消費者の面では、一線都市の「プチ旅行」市場に関する特定調査研究によると、シングル層の間での「プチ旅行」の普及率には都市ごとに大きな違いがある。北京のシングル層はテーマパーク、ハイキング、キャンプ、市内旅行、登山、遠足、ハイキングを選ぶ割合が高い。上海のシングル層は最も洗練されていてセレブ的で、カフェとバーを最も好み、次がテーマパークとなっている。広州のシングル層も省内旅行の割合が高く、結婚しているかどうかに関わりなく、省内旅行が人気だ。(編集KS)
「人民網日本語版」2023年3月7日