低床構造で、階段が設けられている2階建て車両の列車に乗ったことはあるだろうか?4月1日午前11時ごろ、陝西省宝鶏市の宝鶏駅4番線ホームで、中国鉄路西安局集団有限公司西安客車車両区間の乗務員である郭利軍さんは、「この車型と色は、現時点では中国全土でもここにしか走っていない特色ある列車」と話しながら、忙しく業務に励んでいた。
郭さんの担当は、2階建て空調付普通快速旅客列車。その車体は青と白のボーダーに塗装され、春の澄み切った青空と白い雲を連想させる。
高速列車が大量に運行されるにつれて、2階建て普通快速旅客列車を目にすることも無くなってきている。宝鶏発楡林行きT7010号は、現時点では中国全土でも唯一の、製造当時の塗装状態を保ち続けている25K型2階建て空調付普通快速旅客列車となっており、「絶版車両」とも言われている。T7010号は、硬座(普通席)車両6両、硬臥(普通寝台)車両7両、食堂車1両、発電機車両1両で構成されている。硬座車両、硬臥車両、食堂車全てが2階建て車両となっている。硬座車両の定員は、一般的な普通列車より4分の1ほど多い148人となっている。
午前11時53分、T7010号は宝鶏駅を定刻に発車した。11号車の2階では、カップルが車窓の風景を楽しんでいた。男性は、「2階の窓は、普通の車両より約1メートル高いから、窓から見える景色が全く違う!」と嬉しそうに話していた。
午後12時30分になると、鉄道マニアの皓軒さんは食堂車で食事を楽しんでいた。皓軒さんは、「以前からネットでこの列車について目にしていた。一度乗りたくて、乗車券を買い、今日それが実現した。特に、食堂車がレトロ感満載で、料理も美味しく安い。その名に恥じない素晴らしさだ!」と高く評価していた。(編集KM)
「人民網日本語版」2023年4月11日