第20回アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)が2日から4日までシンガポールで開催される。中国の李尚福国務委員兼国防部長(国防相)が招待を受けて出席し、中国の打ち出したグローバル安全保障イニシアティブについて説明する演説を行うことが各方面から注目されている。新華社が伝えた。
主催側によると、今回のアジア安保会議には40数ヶ国・地域の国防及び安全保障機関の代表600人近くが参加する。全体会議を7回、閣僚級円卓会議を2回、6つの特別フォーラムを開き、地域の安全保障上の焦点となる問題を議論する。重要議題には中国のグローバル安全保障イニシアティブ、アジア太平洋地域の安定と均衡の促進、地域情勢の緊張への対応、アジア太平洋地域の軍事力の発展が直面する課題、地域の安全保障、海洋の安全保障、サイバーセキュリティーなどがある。また、各国の防衛相らが二国間または多国間の会談を行う予定となっている。
李部長は4日に「中国の新たな安全保障イニシアティブ」について発言するとともに、会期中に関係国の代表団団長と会談する。また、シンガポール訪問中に同国の政府や防衛当局の高官と会談する。
マレーシア・ニューアジア戦略研究センターのトップを務めるオング・ティー・キート氏は「李部長は中国国防部長として初めてアジア安全保障会議に出席するとともに、中国のグローバル安全保障イニシアティブを重点的に説明する。これは各国のメディアや世論から大いに期待されている」と語る。
フィリピン「アジアの世紀」戦略研究所 (ACPSSI)のアンナ・マリンドグ-ウイ副所長は「グローバル安全保障イニシアティブは、多国間主義を堅持し、人類運命共同体の構築を後押しするという中国の約束の一部だ。これは、域内各国及び地域間の互いに交錯する伝統的及び非伝統的安全保障上の試練に対し、アジアが協力する形で対処する後押しをするとともに、あまねく広がる発展を促進することに資する」と指摘する。(編集NA)
「人民網日本語版」2023年6月2日