「店内では携帯から手を放し、読書をお楽しみください」と店員が携帯端末をいじってばかりいる客に注意を促しているのは安徽省蚌埠市にある当当書店だ。北京青年報が伝えた。
蚌埠市の当当書店は同市でにぎわいを見せる商業施設の中にある。店内で販売されている全ての書籍にはラミネートフィルムが施されていないサンプル本があり、客は読書コーナーで無料でこのサンプル本を試し読みをすることができる。ただ同店では客に対し、1つだけ禁止事項を設けている。それは、「客が長時間店内で座席を占領し、携帯ゲームで遊ぶ」ことだ。
李振海店長は取材に対し、「店内の読書コーナーはそれほど広くない。できる限り真面目に読書を楽しむ客に座席を使ってほしい。携帯ゲームで時間をつぶしている人に限りある資源を占領されるのは非常に不本意だ」と話した。
李店長は、「客が店内で、仕事または他の事情から電話で通話することは禁じていないし、携帯端末で電子書籍を読んでいる客にその使用を禁じることもしていない。ただ、長時間店内の座席を占領してネットゲームに興じたり、動画を視聴して時間をつぶしている人に対しては、注意を促し、携帯端末から手を放し、読書をお楽しみくださいとお願いしている。もし、彼らにもし読書の意思がない場合は、席が見つからず、床に座って本を読んでいる他の客に席を譲るようお願いすることになる。また店内の各座席の向かいには、『携帯で遊ぶのは控えて下さい』という注意書きを掲げている」と続けた。
さらに、李店長は、「我々の合言葉は、『読書を普及する人になり、限りある空間を活用し、より快適な読書環境を創造する』こと。もし、読書する気もない人が座席を占領して携帯ゲームに興じ、時間つぶしをしている一方で、床に座って一心に読書を楽しむ客がいるというのは、極めて不公平で、読者を尊重していないことになる」とした。
「携帯を使用する客が座席に座ることを制限すれば、来店客が減る恐れはないのか?」という問いに対し、李店長は、「本当に読書が好きな人の来店目的は、極めて明確だ。一方、店内で携帯をいじり、ゲームにふけっているのは、暇を持てあまし、書店をゲームセンターと同じように時間潰しの場だと思っている人だけだ。だが、このような人はごく少数で、そういう客を見かけた場合、我々は軽く注意を促す。彼らも同店の規則に理解を示して遵守し、携帯から手を放し、本を手に取り読み始める。1年あまり前に店をオープンしたときに、読書の普及を全面的に打ち出し、客が長時間座席を占有して携帯ゲームをすることを禁止するというルールを定めた。このルールのおかげで、静かな空間で読書に没頭できる環境を現在まで保ち続けることができており、同店で読書することを好む人がますます多くなっている」とした。(編集KM)
「人民網日本語版」2019年3月11日