人民日報社ニューメディアセンターは3月5日、北京人民大会堂の前でバーチャル・リアリティ(VR)や第5世代移動通信システム(5G)を活用した生中継を行った。人民日報が伝えた。
第13期全国人民代表大会第2回会議が開幕した同日午前8時ごろ、同会議に参加し、出席する全国人民代表大会の代表や政協委員たちが続々と入場していた。大会堂前の広場には、三脚が立てられ、360度パノラマ動画カメラが静かに作動していた。このカメラによって撮影されたバーチャル・リアリティ(VR)360度パノラマ動画のデータは、第5世代移動通信システム(5G)の電波を通じて、人民日報社ニューメディアセンターに送られ、中国の数億人にのぼるネットユーザーが人民日報のアプリを通して、その様子を見ることができる。ネットユーザーはスマホさえあれば、大会堂の前に立っているような気分を味わうことができ、スマホの向きを変えるだけで、広場の360度パノラマの動画をリアルタイムで見ることができる。
屋外でのVR360度パノラマ生中継する場合、これまではモバイルインターネットの速度に限りがあり、その実現が難しかった。しかし、今年の全国両会(全国人民代表大会・全国人民政治協商会議)会期中においては、まだ正式に商用化されていない5Gの電波が、一足早く人民大会堂と天安門広場をカバーした。5Gは超高速のため、VRによる生中継も可能となった。人民日報社はその最新テクノロジーをいち早く採用し、ネットユーザーにより鮮明で、生き生きとした映像の中継を提供している。
また人民網と人民視頻は拡張現実(AR)スキャン機能を駆使して、「人民日報」のニュースを「動かす」試みを行っている。ユーザーは、人民視頻のアプリをダウンロードして開くと、右上にARのアイコンがあり、それをタップして「人民日報」の両会関連の報道の画像をスキャンすると、スマホで現場の実況や情報、データの可視化など、より具体的なコンテンツを見ることができる。それはまるで新聞にさらに多くの情報を見ることができる窓をとり付けたような形となっており、ユーザーは両会の動向をより全面的に、深く知ることができる。
新技術や新設備は記者にとってまさに鬼に金棒と言える存在。人民日報の取材記者のスマホには、声を録音すると同時に、それを文字に変換してくれるアプリがインストールされている。それを使うと、取材が終わった時点でほとんどタイプミスのない原稿が既に出来上がっており、記者の取材や原稿作成の効率を大幅に向上させている。
新しいスタイルや新しいアイデアでユーザーもフレッシュな体験ができるようになっている。人民日報社ニューメディアセンターは、中国で流行しているショート動画プラットフォームと提携し、ビデオ通話のようなH5インタラクティブ・ウェブページを打ち出している。ネットユーザーはそれらをタップするだけで、中国のさまざまな省・区・市の、年齢の異なる一般人40人の動画を見ることができ、彼らの生活の様子やその願いなどを知ることができる。「あなたの夢を集め、あなたが注目することに注目」をテーマにしたこのユニークで目新しいビデオ通話のようなスタイルは、ネットユーザーの間で好評を博している。(編集KN)
「人民網日本語版」2019年3月7日